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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1619.神魔


 それは観察の中で幾度も登場した高位の悪魔達とも違って見える。
 彼等の場合それぞれある種独特な価値観と言うか、自身が受けている信仰ごとのどこか卓越した倫理や道徳、使命感に従っていた事が窺い知れた。

 馴染み深い所ではガープは『病』の悪魔であると同時に『癒』を与える神でもあり、意外かも知れないがカイムは『騙し』と『真実』の悪魔でありながら『会話』と『交渉』、更に『和解』の神でもあるのだ。

 大物達も例外では無く、シパイの中にいるバアルは『魂の牧童ソウルシェパード』と呼ばれる通り、全ての信者の心を安んじる為に努力し続ける修行者でもあり、その眷属達も同じく求道の徒ばかりである。
 『恩寵神カリスマ』ルキフェルはイシビベノブの中にいるが、その名の通り、与える者である。
 全知全能とも言える創造神様は、自分を信じる者に惜しみなく与え給う気前の良さも持ち合わせていたりするのだ。

 まあ、多くの場合は預言者を送ったり、ちょっと判り難い啓示レベルだったりするのだが……

 ガトと合体中のサタナキアはこのルキフェルの偶像、判り易い信仰の受け皿、アイドルとしての役目を負っている。
 そう聞けばさぞ気楽なお人形役に感じられるかも知れないが、実は祈りを捧げる信徒の信仰を試したり、結果によって褒美や罰、時には破壊や滅びを与えたりする、言わば実働部隊の即戦力的な神様だったりもするのである。

 もうお判りだろうがアガリアレプトは『水害』と『水の恵み』を、アンドロマリウスは『宝の守護』と『盗掘』『暴露』を統べる悪魔であり神だ。

 無論、神として崇められる悪魔はそれぞれの信徒に対して常でない恩恵を以って応え続けた。
 ここに紹介した神格すら有する悪魔と、レッサーに分類されるヴァンプでは当然違うのかもしれない。
 それはそうだろう。
 しかし悪魔の中には神の座を捨てて魔界に篭り、一介の戦士として長い時を過ごした者も少なくは無い。

 邪悪な存在が奉げ崇める神はこの世界に飽いて、全てを捨て去った上で地獄に帰ってしまったそうだ。
 当然、信仰によって高められていた霊格までかなぐり捨ててである。
 残された邪は寄る辺を失して路頭に迷い、やがて世界のあちらこちらで暴れ出してしまった。
 自分達の蛮行を知れば、かつて彼等を調伏して従わせた神が戻るかも知れない、愚かだが純朴な願いがさせた行動であった。

 邪は各地で彼等の神の名を以って呼ばれた。
 オルグ、オーク、オルガ、オーガ…… そう、彼等が崇める神とはオルクスである。
 モラクスも又、同様の理屈で憎しみと共に語られた、モラク、モレク、上げればキリが無い。
 戦いの神であり子供の守護者であった黒き悪魔は、いつしか子供の生贄を求める凶暴な邪神の代名詞となっていった。

 パズス、ラマシュトゥ、他の兄弟とて大差はない、全て悪神や邪神として知られている。
 末の妹、アルテミスを除いた彼等はストゥクスの川近くに居を構えた。
 ヴァンプ達と同じく、『死』を超越した彼等は生甲斐とも言うべき信仰をも失った訳だ。

 しかし、あの兄妹弟はマナナンガルやヴァンプの様に無為に生を貪る事は無かった筈だ、特に紫の男前は滅茶苦茶格好良かった気がする。 ※観察者は自分の旦那を愛しています

 やはり、吸血鬼達の空虚な感じは主人であるバアルと再会していない事が原因なのではなかろうか?
 確か最初旅立ったのもハタンガを目指していた筈だし、こう、生活のハリ? 的な物をどこかで求めているのかも知れないな、うん。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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