【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1732.カイムと仲魔たち
これがガトが端折ったサタナキアの記憶である。
どうやらこの後は魔界の最奥、ニブルヘイムのコキュートスと氷の宮殿リョートパレスでそれなりに大人しく過ごしていたらしい。
再び地上で活動を再開したのはコユキや善悪と出会い、偶像神アイドルとして覚醒してから、その経緯は既にご紹介した通りである。
如何だっただろうか?
かなり掻い摘んでご紹介したが大筋でサタナキアと四レッサーの関係をご理解頂けたのでは無かろうか?
もっと詳しくお知りになりたい方には是非、どこかの大学とかで中世ヨーロッパ、チェコ、ハンガリー、ルーマニア辺りの民俗学でも学び直して頂ければ、そう願う。
兎に角、私、観察者が主張したい事は只一つ、ガトがレイブ達スリーマンセルに話した内容は片手落ち、いや両手両足バッサリ落とした状況だと言う事だ、しかも相談に乗って貰っている立場での理不尽極まり無い図々しい蛮行である、酷いよね?
さて、本来の観察に戻る前にクルムバッハのその後を今少しだけご紹介しておきたい。
あの夜、相談を終えたサタナキアはそのまま厩の中から姿を消した。
話し合いに参加していたヨハン以下、オーラに包まれていた面々も一緒、本人達の強い希望を受け、共にニブルヘイムへとバックレたのである。
只一人、いや独り現世に残ったカイムも数百キロ東、皆さんの時代で言うポーランド西部の小さな村、ルダの教会の屋根にとまってその日を迎えた、サタンが魔界に去って二週間後の事である。
「なるほど、これがバアルの力っポロ、なんちゃって魔神のサタナキアじゃあ相手にならないっポロロね」
同じ屋根の片隅に真紅のオーラがつむじ風を巻きその中心に赤い全身鎧を身に着けた騎士が姿を表して言葉を返す。
「確かに侮り難い力ではある、されど我々が合力すれば敵わぬ程では無かろ? 如何する総裁? お前が行くと言うのであれば我も付き合うに否は無いぞ! クフフフ、目に物を見せてくれるか? クフフフフ」
「ゼパル公爵か…… うむ、今はまだ止めておこう、あれらが為す事、成さんとしている事にもいつか意味が生じるかも知れない…… 我々が立つのはそれを見極めてからで良かろ?」
「そうか、承知した」
プーッ、プップップップーッ!
唐突にホルンの音が鳴り響く。
カイムと鎧騎士のゼパルが振り返った先にはホルンを抱えた縞猫が睨む姿が映る。
無言のまま丁寧な礼を送るゼパルに倣う様に、人間の貴族風のカーテシーを取ったカイムが恭しく言う。
「これはリリス様、お早いお越しで……」
「リリスは止めろ、今は男型だ、ベレトで良い! それよりもカイム、戦わないと? あの程度の相手、まさか恐れているのではあるまいなっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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