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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1261.そそり立つ壁


 多分に希望的な予測が加えられているスリーマンセルの分析が正しいかどうかは定かではない。
 仮に正しかったとしても金属板に刻まれた言葉や図柄の意味は未だ判らない事だらけである。
 望むゴールは果てしなく遠くである事は紛い無い事実だろう。

 しかし、スリーマンセルはやる気に満ちた瞳を輝かせ、空腹も忘れて透明に変じた魔石の観察を始めたのである。
 その後は案の定、薄暗さに文句を言ったり視神経のダメージを訴えたり、飽きはじめて軽食を頬張ったりを繰り返していたが、しばらくすると隣の角に移動して、別の金属板で検証するという彼等にしては卓越した知恵を付けるに至り、思う存分透明になった魔石を凝視したり透かしてみたり、意味も無く転がしたり、なんだかんだと愛で続けたのであった。

 とは言え、見た目は少し大きめなだけで至極一般的な魔石である。
 分析の専門家でもないスリーマンセルが出切る事は程無く無くなってしまったのである。

 思えばかつて令和と呼ばれる時代の観察では、悪魔や人間、魔獣が知恵を持ち合って色々な分野の謎や不思議に向き合って、それぞれ差異こそあれ様々な理解に辿り着いていた事が思い出される。

 しかし、それはあくまでもコユキや善悪を中心に、各業界の専門家やマニアが奇跡的に一つの寺に集合した結果なのだ。
 大きな権力や財力、例えば国際機関や大国の国家事業ならばいざ知らず、普通であれば考えられない僥倖ぎょうこうと言えるだろう。

 と言う訳で、素人集団のスリーマンセルは壁にぶち当たったのである。
 まあ、そもそも何かを調べる際に自分たちより詳しいだろう存在、今回であれば獣人や『森王』ダソス・ダロスに聞こうとしない事がおかしいのだ。

 皆さんの時代で言う所の『車輪の再発明』に貴重な時間を費やしているだけなのだが……

 特殊、と言う括りでは昔々幸福寺に集まったメンバーに引けをとらないスリーマンセルは奇跡を起こす。
 行き詰って飽きて手持ち無沙汰に陥ったレイブの不機嫌そうな声が切欠きっかけだった。

「いくら調べたって只の魔石だよ、こんなの! あー時間を無駄にしたー! くたびれたしっ! もうやめやめっ、片付けようぜ!」

『そうだな…… いつの間にか芋虫もドングリも干し肉も食べつくしたしな…… なあ、腹が空かないか?』

『ギレスラお兄ちゃんたら最近それ多いわね、まっ、結果的には何にも判らなかったけど今回の努力は無駄ではなかった? 筈よ? 多分、きっと、そうであって欲しいわ』

 言いながら片付けを始めたペトラは、透明になった空魔石を最初の金属板の位置へと運んでからレイブに聞く。

『ねえ、この空っぽの魔石ってそのままで良いのかな? 後でヘビのシュカーラさんが怒らない? 多分怒りそうよね? どうする?』

「あー怒るなー、アイツはー! 神経質だもんな、あんな顔してるくせに」

『んー、少しでも色が付いていればバレないのではないか? ペトラ! アスタさんに教わったヤツ、自分の魔力を送り込むヤツな、アレをやってみたらどうだ?』

『あーなるほどね、どれどれー『鑑定アナライズ』っと! これでここに置けば良いのね、オケイ光ったわ…… あれ? あららら? どうしちゃったんだろコレ?』

「ん? どうかしたのか?」

『うん…… 魔石にアタシの魔力を充填して金属板の上に置いたら光ったんだけどね、一瞬で消えちゃったのよぉ、おかしいわね? まだ魔力自体はある筈なのよね、魔石も真っ赤なままだしぃ』

「ほぅ、どれどれ」



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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