【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1551.回復治療
驚愕の声を発する弟子と幼馴染に対して、顔面の左側を真っ赤な血で染めたレイブは気丈な声で告げる。
「シュカーラ、済まないがそれらしい物を探してそこらに放ってくれよ、んで、ガトはまず眼球を、次に合図したら俺自身に回復を掛けてくれ」
「え、は、はい!」
「わ、判ったわ!」
「ふぅ~、痛えなーちきしょー」
普通は痛いどころの騒ぎじゃ済まないだろう修羅場だが、そこはそれ、レイブ達スリーマンセルとの暮らしが長くなってきたシュカーラとガトである、ああ相変わらず丈夫だなー、位の感覚でそれぞれ頼まれた作業を始めるのであった。
因みにこの血生臭いやり取りの間もキャス・パダンパは遠景に手を翳して懐かしさにウルウルしたりしている、やはり異常さに慣れて鈍くなってきているのだろうな…… 順応とはある種恐ろしい物である。
「それらしい物ですよねぇ、えーっとぉ……」
「眼球だったわね、ブヒッ『回復』っと」
ガトは早速眼球に狙いを定めて『回復』を施したようだ、手際が良いな。
行使の直前に付け加えたブヒッはペトラだよ、の合図である。
最近は『偽神』で変身した後、誰に変化したのか目印となる一言を足したりしているのだ。
ペトラはブヒッ、ダソス・ダロスの場合はブフォ、キャス・パダンパはガオォで、タロースに至っては最初にウィーンでスキル発動後にキィーガッシャン、なのだ、ロボかよ! ああロボか? グフン、非常に判り易くて親切だ。
理由は言うまでもなく姿の変化に影響されない仲間たちへの配慮なのだが、本来、そんな事にまで気を配ってやる必要などありはしない。
ダソス・ダロスと出会ったくだり辺りでも感じた事だが、このガト、結構相手の気持ちや状況、境遇なんかに惻隠しやすい性格で微に入り細を穿つ、そんな割とまめな細やかさがちょいちょい垣間見える。
そのせいか群れの中では結構な人気を博していたりするのだが、若しかして中身の魔神・サタナキアの偶像としての性質が投影されているのかもしれない。
なにしろアイドルだ…… 人気や信仰の多寡は死活問題なのだろう。
素早く回復を施されたレイブの眼球と周辺組織の具合を確認した彼女は、今度は、まだそれらしき物を見つけられずにワタワタしているシュカーラを気遣ってか声を掛ける。
「どう? 何かあった?」
「ん~、いや~特段何も…… ほら、眼を抉り取ったタイミングで魔力の揺らぎも消えちゃいましたし~、う~ん?」
ガトは目を細めながらこの言葉に返す。
「あっそれじゃない? ほらほら! 涙骨の所に緑に光ってる石みたいなのが見えるわよ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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