【2156話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2156.茶色の閃光
『生身のままで全く全然どうやっても適わない、そう感じたガト様は早々とジャイアント、つまり巨人化して向き合った訳なんすよ』
それぞれは反応を返す。
『なるほど、ここからが本気なのだ』
『大っきくなったガトちゃんにはレイブお兄ちゃんでもタジタジだったからね♪ 良かったわ』
『うーん…… そうっすねぇ…… 一応対応は出来てたんすけどね、まだあっちのが強そうだったんっすよぉ…… こー体を屈めて顔の前で両手をクロスしちゃったりなんかして? 防御一辺倒って奴っすねぇー』
『なぬっ! あのガトがっ?』
『うっす』
『たかがウサギ如きに、か?』
『茶色の閃光っすよ』
『え…… だから普通の野ウサギなんでしょ? ペジオって?』
『んー、いやっ、茶色の閃光っすね』
『そう……』
『むぅ』
「で? お前は? それを黙って眺めていたって事なんだな?」
「なあ、どうすればそんな真似が出来るんだよ? 恥ずかしくないのかお前っ?」
ミロブロは既にパダンパに対する憎しみに満たされている。
この敵意溢れる言葉には、さしもの鈍いパダンパも憤慨しつつ返す。
『あっ? 馬っ鹿言うなよっ! ガト様の危機にんな訳ないだろっ! 俺だってすぐさま動くに決まってんだろーがっ!』
そりゃそうだ、こいつだって竜王の里では上位の戦士、かつ魔獣軍団の幹部だからな、そんな場面でポーっとしてたら立場上やばいだろうしな。
パダンパは言葉を続ける。
『何度目かの閃光を受けたガト様が膝を落とすのと巨人化が解かれるのが丁度同時だったんすよ、俺はその機を見逃さずに後ろからガト様を抱きしめて、それで……』
『なるほどなのだ、取り敢えず逃がす事には成功したのだな』
『でもガトちゃんが離脱したらダダ坊が……』
「確かに…… パダンパ、その後の展開を聞かせてくれ」
「お前も一緒に闘ったんだろう?」
パダンパは答える。
『次の瞬間意識を失って気が付いたら皆に会ってたんすよ』
『むぅ、いまひとつ肝心な部分が欠落しているのだ……』
『パダンパ、気を失う前の事、何も覚えてないの?』
『うーん、そうっすねぇ…… 確かぁ、抱きついた時にガト様が短く悲鳴を上げてぇ、それから……』
「まあ、馬面で厚化粧な若作りの皺くちゃで半分スケルトンの腐乱死体風味の雌、相手に?」
『わざとじゃ無いっすよ』
『で、どうしたのだ?』
『えっとぉそれからぁ…… そうだ! 後肢に激痛が走って思わず振り返ったら後頭部に強烈な打撃痛、同時に脇腹に鮮やかな褐色の光線が当たって、宙に飛ばされたタイミングで茶色い閃光に吹っ飛ばされた? 気がするっす! 咄嗟の事だったんで瑣末な事しか思い出せないっすけど』
結構完璧に憶えていたパダンパ、寧ろそこまで冷静だったなら避けたりすれば良かったのに……
取り敢えず死んでいなかっただけでも奇跡な感じだ、おかしいな、普段の行いは良くない筈なんだが?
だが聞き手は更なる情報の獲得に貪欲らしい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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