【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1271.スパルタ
兎に角、こうして心の澱を溶かしたギレスラはペトラの実験に協力を再開する事ができたのだ。
多少俯き気味でオドオドとした態度で脅えた視線が目に付くが、まあ、大丈夫だろう。
『そ、それで? 僕は何をすれば良いの?』
「おう、ペトラ?」
『あ、うん、魔石を暖めようとしていたんだけど…… ねぇギレスラお兄ちゃん、大丈夫?』
『う、うん、多分――――』
「あーっ! 大丈夫だよなっ? それともまだ自分の世界に戻りたいのかな? ん?」
『大丈夫ですっ! 暖めるんだね? 僕は何をすれば?』
『うーん、何がってぇ…… レイブお兄ちゃん?』
この揃った疑問に答えるレイブは、両手の掌を上に向け肩を竦めて呆れ顔である。
「だから暖めるんだろ、魔石を、頑張って答えに辿り着けば良いじゃないか」
ざっくり。
『そうなんだけど、具体的にはどうすれば良いのか、ちんぷんかんぷんで……』
だろうね。
「そんなの俺の知ったこっちゃない! お前等で出来る事を試すしかないんじゃないか?」
丸投げか……
『う、うん』
『出来る事? 魔石も僕も根源的には同一の存在…… 宇宙の構成要素としては同価値だから…… 何をどうするじゃなくて、僕が魔石? いや、寧ろ魔石が僕、なのかな?』
治ってないぞ、おい!
レイブの溜息は凄まじく深い。
「はぁーぁー、全く判ってないなお前等ぁ…… 良いか、出来る出来ないじゃなくてやるかやらないかなんだよ! ああ、あれだ、アスタさんが言ってたじゃないか、今出来る事を一所懸命にってヤツだよ! 豚猪とドラゴンなりに今出来る事何でもかんでも試してみろってっ! 自分を信じてっ! 失敗を恐れないでっ! って事じゃね? 知らんけど」
なんとなく良さ気な事を言った様でいて、実は中身が空っぽだったレイブは続けざまに捲くし立てる。
「それとなギレスラ、お前と魔石は全くの別物だからな! 根源的? に同じだとしても今現在の立場や立ち位置、生態も求められる物だって全然違うんだぞ? お前は何だ?」
『え、う、宇宙? かな?』
「馬鹿野郎っ! 広義で宇宙だとしても、今のお前はドラゴン、竜種だって言ってんだろ! お前がそんな鱗まみれで生臭く寒暖に鈍い存在なのこそがお前等ドラゴンのアイデンティティなんだよ! 今出来る事、ドラゴンとして出来る事の最善を尽くせよ! しっかりしてくれよトカゲ野郎っ!」
『僕はドラゴン…… ドラゴンである事が僕の存在意義……』
「そうだよっ! んでお前の一人称は僕じゃなくて我だ! お前はドラゴン、誇り高きニーズヘッグ最後の生き残り、『長寿の王者』ギレスラだ! 判ったか?」
『僕、いいや我はギレスラ…… そ、そうだ! 長寿の王、ギレスラとは我っ! 我こそはニーズヘッグ最後の一頭、ギレスラなんだっ!』
『ギレスラお兄ちゃん、お帰りなさい』
『アンギャァー!』
馬鹿みたいなやり取りの結果、ギレスラは自分を取り戻しぺトラはその勇姿に落涙を抑えられなかったらしい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡