【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1637.カーリーの所感
私、観察者が分析した所では、恐らく何かに執着して怨念体になったカーミラさんは、朧で不安定な状態である霊魂では存在を維持出来ずに、件の錫人形に取り付いたのだろう。
依り代としての体を手に入れた事で、グッと過ごし易くなっただろうし、存在意義である怨みや呪い、憎しみなんかもグングン高められたに違いない。
と来れば自然、やる気に繋がるエナジーも増し続ける訳だから、死霊に言うのも何だが生甲斐的なパワーも蓄積してく事となる、つまりガッツが、である。
ガッツと言えば生命力、魔力となる。
魔力が一定限度を上回れば本体は悪魔や精霊、神々なんかになる訳だがその際、本体内部で生成されるのが既にご紹介し捲っている魔核である。
んで魔核の原料と言えば鉛、本観察ではサパなんかにも入っているお馴染みの原子番号82番のPbだ。
さて、以上の事を踏まえた上でこの時代の錫には不純物が含まれていた事をご承知願いたい。
その不純物、多くの場合、鉛、だったのである。
もうお判り頂けただろうが、依り代の錫ボディを手に入れたカーミラは、順調に成長を果たして悪魔としての存在証明、魔核を得るまでになった。
そして飲み食いしない、と言うか出来ない体の内部から必要な成分である鉛を集めざるを得なかったと!
まあ無事魔核作りには成功したのだが、それ以外のボディに思いもしない変異が起きてしまう。
何を隠そう錫には変態の特性があるのだ。
普通は寒めの気候でゆるゆると進み氷点下で一気に変態するこのスズペスト、純度を高める事により常温下で爆発的な速度で変態が進んでしまい、あっと言うまにブクブクのボロボロに変わってしまうのである。
要約すれば、サタンが目にした段階で錫人形=カーミラはスズペストでぼろぼろ状態、揉み揉み施術で凝固した魔核、悪魔カーミラの本体を取り出したって事になるのだろう。
因みに変態が完了した錫はαスズと呼ばれて、金属的な性質も失って殆ど使い道がなくなってしまうので注意が必要になる。
つまり、皆さんが体内で魔核を作ろうと錫を利用した場合、無事悪魔になった暁には大切な錫製品を失う事にもなりかねないのだ、気をつけた方が良いだろう。
その証と言っては何だが、魔核のカーミラさんが抜けた錫人形は、既に白銀から黒ずんだ灰色へと見た目を変化させている、化学とはゲンキンなものなのだ……
簡単な分析が終わった所で経験のポーズを解除して続きを見る事としよう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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