【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1318.門外漢
『クルン=ウラフの森でしたよね? ちょっと配下の魔獣共に聞いてまいりますので』
「いや、どうせならハタンガまでの道順を聞いてくれ、クルン=ウラフは途中の目安に過ぎないのだ」
『あ、ハタンガで良いんですね?』
「ちょっとジャルダン! ハタンガへの帰り掛けにクルン=ウラフに寄ってけば良いじゃないのよ!」
「レだ、何度も言わすなよ」
このやり取りって若しかして毎回、なのか?
「ああ、うんレ・ジャルダンだったわね」
「ああ、それで何だったか?」
やっぱりコイツ等全員馬鹿なんじゃ……
「だから帰りに寄ってパリーグを置いて行けば良いじゃないっ!」
「グフトマやジグエラに別れも言わさずにか? そうもいかんだろう、特にヴノとは親子なんだぞ?」
「あーそっか、面倒だわね」
「普通は判るだろう」
付き合っていたら日が暮れるなコリャ、さっさと聞いてきて旅に便乗、嫁ゲットとしゃれ込むか。
『ハタンガですね! 直ぐに聞いて参りますのでぇー! ひっ! ひいいぃぃっ!』
振り返った途端、目の前に獅子の顔があった。
私ともあろう者がいつの間にか背後を取られていたのだ。
それにサイズ感がおかしい……
私と同じ位置に顔? いやいやライオンはもっと小さい筈だが?
ウチのネコ科はもっとコジンマリしてカワイイのばかりだぞ、虎も豹も。
目の前の獅子、恐らく雌は、私と同サイズ、若しくは少し、ほんの少しだけ私より大きく見えた。
喰われる!
私の中の本能、主に親戚筋のイボイノ的な部分がそう告げていた。
『大きい豚猪ね、まだ若いのかしら? お幾つ?』
『っ! に、に、に……』
やべぇ、びびっちまって声にならねー。
『二歳なの? 淒いわね! 百歳位になったら養父さんより大きくなるんじゃないかしら!』
『は、は、はひ』
不本意ながら、私は二歳と認識されてしまった、本当は二百歳前後だったのだが……
その後、巨大なライオンにびびり捲った私は固まったままで彼等の交わす会話を聞いているしかなかった。
いや、ライオンは切欠だったに過ぎない。
そこまでのやり取りで、むかついたり心中で悪態を吐いたりしながらも、実の所、私は既にびびり捲ってしまっていたのだ。
赤い少女と金属鎧、空に浮かぶクネクネと、絶対的な戦闘力を有する野うさぎの存在に……
捕食者の登場は、私に『食われる者』の本能を明確に自覚させただけだ。
私は弱者だったのだ。
巨大な体躯を誇り、如何に牙を研ぎ上げ、自らを王族と僭称しようとも豚は所詮豚、雑食種である自分が目の前の肉食獣どもに叶う理などあろう筈が無い。
その事を生まれて以来初めて認識したのである。
まあ、正確には肉食獣は竜とライオン、鎧と赤は雑食で、蹴るウサギは草食だろうが、そんな事は瑣末なことだ。
大切なのは、この世には決して越える事が出来ない壁があり、この時の私には、目の前に五重になって聳え立っていたって所だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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