【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1463.切欠を探れ!
少し自嘲気味に笑うシドに、更に深い熟考に嵌り込むレイブ、場を繋ぐ様にギレスラは言葉を発する。
『レイブの祖先がその善悪だったとしてもだ、何千年も経て隔世遺伝、か? それもある日突然? どうも釈然としないのだぁ』
ぺトラはもう少し建設的だ。
『いづれにしても何か切欠があるのよ! あの転落の前に何か覚醒に繋がるような出来事が…… それを特定出来ればスキル継承の謎が解ける筈なのよ』
ギレスラは即答する。
『なら『小人の隠し穴』の崩壊だろうな、タイミング的にも破壊規模のデカさ的にもあれ程大それた真似は一生の内にそう何度も無い大事件だからな』
横で獣顔の二人が小言でやりとりだ。
「ウチの里以外でもそんな真似を? 酷いな」
「てかウチの里は些事扱いじゃん…… 酷いよ」
この会話は確りぺトラの耳に届いていたが、彼女は敢えて無視する事にしてギレスラに話し返す。
『でも直前が切欠とは限らないじゃない? もう少し前だったら他にもあったでしょう? ほら、禿げ散らかし装置で皆死に掛けたりもしたわよ?』
『なるほど、確かにあの時は我やペトラも死に掛けてしまったからな…… それにアスタさんやテューポーンもエラい目に会ってしまったのだ…… アスタさんは消え、逞しくて頼りがいに溢れていた、てゅ、テューポーンさんは、こ、こんな惨めで醜く哀れなバッタにぃ…… ううぅぅっ』
『ジジ? ギーギーッ!』
ギレスラの嘆きに、特に最後の辺りに抗議の声を上げ捲るテューポーン、本人はこちらが思うより気に入っているのだろうか?
「大変だったんですね」
『グガッ、思えばあの時から苦労と緊張の連続なのだぁ』
「そいつぁ又ぁ、いやぁ何と申し上げて良いかぁ……」
ミロンとブロルは自分達も突然故郷を追われてしまった経験者だ、嘆くギレスラの心情に即座に惻隠してくれているらしい、優しみを感じる。
一方のペトラは未だに現実的である。
『確かに大きな衝撃ではあったけどそこまで? でしょうっ! ギレスラお兄ちゃん良く思い出してよ! 小さい頃のバストロ師匠のしごきやズィナミの暴力、それに学院が出来たばかりの冬に備蓄が尽きた時のどうしようもないひもじさやズィナミの暴力! 後、物流倉庫での終りが見えない激務の日々と誰からも評価されない苦難と苦痛の日々とズィナミの暴力ぅっ! それに日課の様に繰り返されるズィナミの暴力と気紛れに見せる不意の優しさと思いやり…… から一転繰り返し始めるキリが無い暴力と暴言と暴力と暴力ぅぅっ…… うっうっうっ……』
『ぺ、ペトラ……』
『ねっ? 判ったでしょ? あの時? からじゃないのよ…… アタシ達ってもっとずーっと前からね、地獄にいたのよぉ、グスッ!』
『そ、そうだった…… 思えばあのアマ、ズィナミが我が一門の先達だったからぁ…… くぅぅっ! いつの間にか慣れてしまってあの理不尽さを当然の事みたいに感じてしまっていたのか…… あのロリ婆めがぁ~! 全ての苦悩の現況はあの若作りの大年増が占めていたのだったわぁ~、ち、チッキショー!』
『思い出してくれたのね…… 良かったわ』
「良かったですねっ、ギレスラさんっ!」
『ありがとうっ!』
「バンザーイっ!」
ペトラのお蔭で、ギレスラは日常に紛れて錯覚させられていたズィナミ・ヴァーズの戦闘力に依る洗脳から解き放たれる事が出来たらしい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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