【2232話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2232.パラドキちゃん
「あの竜王の肩にいる猿? 本当かよ?」
ペジオは元々人間だ、当然の疑問だろう、三本足りないとか言うからな。
『本当よ、ほら、その立派な耳で聞いてご覧なさいよ』
「んんー?」
素直に長い耳を傾けるペジオにグラム・ランドとハンペラの会話が届く、ウサギは耳が良いのだ。
『その三葉虫の化石がお前の宝物なのか?』
「あーね、ちなパラドキちゃんね? これマメでよろ!」
『ふむ、パラドキシデスだから、か? 単純な命名だな、化石集め自体、余としては中々高尚な趣味だとは思うがぁ』
「違うかんね? 元々無価値だと思ってたじゃんね? でも他者の評価で一気に貴重に感じた訳なんよ! ビジュとか全然変わらないのにきゅん力マシマシあげみざわ! それで生じたアァシ自身に対する懐疑心、アァシの貴賎や美醜ってこんなに不確かだったんか…… んな揺れる思いにビビリン毛ボーボーに陥ったんよ?」
『ふむ、自我に対する疑い、一種の矛盾に陥った訳だな…… そうか、それでパラドックスと名付けたのか……』
「ってよりあらゆる個が自身で下してると思ってる評価って結局周囲の流行や他者の羨望、渇望、所望の様々な異音によって作り上げられてんじゃね? ってぇー? 思ったんよ! 急がば回れ、自分探しは周囲の他者を知る事からが近道なんじゃね? っつー事でパラドキシカル、逆説的真理から名付けたんよね」
『なるほどな』
ペジオの鼻先が数回引き攣るのを確認してペトラは声を掛ける。
『どう?』
「なるほど、思った以上に賢い様だね」
確かに思った以上だよな、バビるじゃんね、マジで…… とりま観察を続けるし。
『でしょ? アタシも賢い賢い言われちゃうけどそれってさ、生まれつき? 持って生まれた才能に過ぎないのよね? それに比べてあの猿は持たざる者、あっ! これは駄洒落じゃないのよ? 持って生まれた才能の片鱗が自然に出ちゃっただけなんだけどね? ごめんね? つまり低俗で凡百なエテ公に生まれたのにもめげずに努力して必死に聞きかじっただけの知識に縋り付いているって訳なのよ? 愚昧で滑稽で哀れみを誘うでしょ? でもアタシは嫌いじゃないのよ…… 愚者に残された最後の希望、それが努力、だけなんだから、ね?』
「君、最低だね……」
何気にペジオ的な選民思想、所謂虫唾疾走の発生器的な発言で己を貶めるペトラにまんまと吐き気を催してしまうペジオ、ペトラの内心はシメシメの極みであろう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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