【1898話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1898.譲れない物
小さな馬鹿が落込む中、大きな馬鹿は勢いを増す。
『言わん事じゃない、愚かな豆が墓穴に嵌ったな、ガハハハ♪ 豆コロはそこらでドングリとでも遊んでおれば良いのだ、ガーハッハッハ♪』
この言葉のどこが琴線に触れた物か、ペトラが視線を厳しく変じて言い返す。
『ちょっと! アンタもいい加減にしなさいよ!』
『ん? 豚か? 何だ、欲しい褒美が決まったのか?』
『豆とドングリじゃ全然別物じゃないっ! 訂正して謝罪しなさいっ! アタシにじゃ無くてドングリによっ! 謝ってっ!』
そこ? まあ譲れない物はそれぞれだからな、仕方が無い事なのだろう。
『豆とドングリはどちらも同じく種ではないか…… なんだ、そなたも馬鹿なのか? がはは、補助員馬鹿ばっかりなのかぁー、ガハハハハ!』
『殺すっ』
「ばっ! ペ、ペトラっ!」
ダッ! ドドドドッ!
心から愛して止まぬドングリを豆扱いされてしまいペトラは切れた。
外交を主目的に訪問したのに暴力に訴える…… あっては無らない愚挙の中の暴挙である。
まあ芸を披露して笑いを誘うのもどうか? とは思うが……
一直線に突進するペトラの後姿を目にしたレイブは何故か安堵の息と共に洩らす。
「本気じゃ無かったか、ほっ」
なるほど、凄まじい勢いでのダッシュではあるが、確かに猪突猛進系のスキルを使ってはいない、つまり本気で命のやり取りをする気は無いと…… まあ外交儀礼的には自殺に近いだろうが、ギリギリな所で分別が機能したのだろう。
とは言え、並みの野獣や魔獣であれば踏み殺されるレベルの突進だ、不意打ち同然だった竜王グラムランドのルッカの運命は如何に!
『ふん』
『ブヒッ? ブウゥ~っ!』
滑らかで巨大な尻尾を一振り、容易く一蹴してのけたのである、流石は竜王と言った所だろう。
吹き飛ばされたペトラも大して重症と言う風でもない、狙ってやったとしたならば格別の実力者と見なければならない。
だが、完全にカカリ状態になってしまったペトラは簡単には引き下がらない、着地と同時に再び体勢を整え、鋭い視線でグラムランドを睨み続けている、何故ならカカっているからに他ならない。 ※カカリとは知性に欠ける獣が恐怖や興奮状態で我を忘れてしまう事です
『グヌヌゥ、ドングリは、ドングリは豆じゃない~っ』
拘っている内容はどうでも良い、彼女の自由なのだから。
しかし、如何に執着しようとも相手は強い、今しがた歯牙所か尻尾に縋りつく事すら不可能だった大ドラゴン様なのだ、どーする豚? いや、ペトラ?
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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