【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1376.接敵
大雑把な状況を把握したレイブが言う、鹿獣人に手を牽かれた小走りのままだ。
「ペトラ、先にあいつらを回復させてくれ」
『了解! ダダ坊も来て! モンスターにも掛かっちゃうから範囲回復はだめよ! 一人づつ『回復』よ!』
『判りましたぞアリス様、ではなくてペトラ! 『回復』!』
「アタシも手伝うわ! 『偽神ダソス・ダロス』! 『乱用『回復』』! 『回復』! 『回復』!」
回復スキルを持っている魔獣豚猪二頭に加え、ガトも参加しての治療が始まったが、怪我をした獣人達にはダソス・ダロスと同じ姿に見えているらしく、彼女の顔より随分高い場所を見上げて驚いたり頭を下げたりしていた。
この間に鹿獣人の手を振り解き、溝のエッジに駆け寄ったレイブは素早く指示を叫ぶ。
「ミロン、ブロル! 一旦全員を下がらせてくれ! デカイのをお見舞いする!」
「大丈夫ですか?」
「ああっ! 巻き込まれたら一瞬で塵だぞ! 早く下がらせてくれ!」
言いながら立てた親指を肩越しに後方へと動かすレイブ。
指の先には両後肢をどっしりと構え、全身の鱗をビビットな赤で明滅させるギレスラの姿がある。
「さっ、下がれぇっ!」
「退け退け退けっ! 早くするんだーっ!」
ほぼ同時に叫んだミロンとブロルは自らも慌ててその場から走り出し、僅かに遅れて部下の獣人たちも後ろも見ずに撤退を完了する。
レイブは既にギレスラの背に移動した状態で言う、例の如く悪そうなニヤリ顔で、だ。
「ギレスラ手加減しろよ、後で喰うんだからな? さあ、発射だ」
『アンギャーッ! ギャギャギャギャギャーッ!』
カァーッ!
手加減、その言葉の意味が時代の変遷で真逆になっていなかったとすれば一度ギレスラの聴覚を調べた方が良いだろう。
勢い良く噴出されたブレスは赤ではなく無色透明、例の周囲にチリチリ音を発生させる超高温の熱線だったのである。
獣人達の陣形が崩れると同時に飛び出して来た数匹のモンスターが、一瞬で全身を炭化させられて地面に転がる。
「おいおい、やり過ぎだってば! こんなに黒コゲじゃ搾れないだろ?」
『グゥ、加減が難しいのだ……』
「ははは、要練習だな! にしても、ひーふーみー全部で五匹か、一匹だけじゃなかったんだな…… む? むむむっ?」
気楽な声音で言った直後、ギレスラの頭近くまで身を乗り出してモンスターの亡骸を見下ろしたレイブは不思議そうな声を出す。
『どうしたのだレイブ?』
「いや、こいつらってバイコーンだよな? 寧ろ幼体のルヴレットかな? そんなに珍しいモンスターじゃないだろ…… ここいらには少ないのか?」
『むぅ、確かにルヴレットなのだ…… はて?』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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