【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1510.蹴る馬も乗り手次第
周囲が揃って首を傾げる中、ペトラは言われた通りにスキルを発動する。
『う、うん『鑑定』…… 力96、防御106、敏捷88、魔力2042、前に見た時と全く同じだわ、これが何なの?』
「そっか、じゃあこれでどうだ? 数字が変わってるんじゃないかな?」
話し掛けながらレイブの周りを紫色のオーラが包み込むが、構う事無くペトラは再度スキルを行使する。
『『鑑定』、えっ! ち、力24576、防御27136、敏捷22528、って何よこれっ!』
『なぬっ!』
『『ええっ!』』
「ほぅ」
「ペトラ、魔力はどうだ?」
『あ、うん、魔力はグングン減り続けていたけどぉ…… 何なの、レイブお兄ちゃんっ!』
「なるほどな、じゃあグルグルっと、今はどうだ?」
『えっと『鑑定』、あっ、魔力が戻ったわよ! 2042、ま、満タンだわっ、い、一体?』
「そうか、なるほどなるほど」
独りでなにやら納得しているレイブに、素直にスキルを行使したペトラ、ギレスラを中心に残りのメンバーがあんぐりと口を開けて見つめる中、シュカーラは腕を組み直してレイブに語り掛ける。
「身体強化、です?」
「そうだよ、今は八枚掛けしたんだ」
「そうですか、一枚二倍づつで合計二五六倍になったって訳ですね、いやはや」
「ああ、それと魔力の消費も量じゃなくて体内を巡らせる速度をちょっと意識して速めたら減るどころか回復しちゃったな、これは想像してなかったぜ、ラッキー♪」
『むっ、そうなのか? グルグルグル』
『あっずるいわよっ、ギレスラお兄ちゃん! グルグルグルグルゥ』
「なははは」
一笑いしたレイブは二匹の魔獣、ダソス・ダロスとキャス・パダンパに向き直って言葉を続ける。
「って事だ! 俺が思っていた通り、ステータス数値はその時の体調や損耗具合、後はかさ上げする系のスキルによって変化するんだよ、ああ、それに敵対している相手から目減りさせるスキルなんかを掛けられたら下がったりするのかもな? なっ、アテにならないだろ?」
『は、はい』
『良く判りましたです、はい』
やけに素直な返事をする二匹。
これまでの上位者としての小馬鹿にした態度とも違うし、それ以降のからかわれた直後とも酔わされたり焼き殺されたり仕掛けた後の消極的な賛成とも違う。
なんて言うか、レイブをはっきりと、そして改めて強者だと認めた上での無条件な賛意とでも表現しようか。
体育会のパイセンや元受け業者の担当者、親会社からの出向社員に対するイエスと同じ感じ、である。
この短時間で見られた変化の理由を類推するに、直前に明かされたレイブのステータスが関係している事は想像に易い。
つまり、身体強化で魔力以外の数値が自分たちを遥かに凌駕した二万越えのレイブの言葉を何の屈託も思案もなく、只々脊髄反射的に支持しているのに過ぎないのである。
レイブはこう訊ねた筈である、
「前略、ステータスの数値は、中略、アテにならないだろう?」
と。
しかし、今、彼の目の前でへらへらゲヘゲヘ下卑た笑いを浮かべてイエスマンと化している二匹の魔獣の本質と言えば、少し前から微塵も変化などしてはいない、ステータスの数値至上主義の醜い姿を露呈している、その証左に他なら無いのである。
一度縋った価値観からの脱却は難しい、そんな話は割かし良く聞くが、こうもまざまざと見せ付けられるとはなぁ、いやはやなんとも……
『本当にステータスとかアテにならないっすね、ステータスが高い叔父さんが言うんだからきっとそうなんすよね、えへへ』
キャス・パダンパの明確さにはいっそ清々しさすら感じる。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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