【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1550.イントルーダー
「レイブ? 何よアンタその怪我っ?」
生まれ育った地を懐かしむ余り、嬉しさによってちょっと周りへの注意力が散漫になってしまっていたパダンパに代わって、死に掛けているレイブに気がついたガトに、肩を貸したままのシュカーラが慌てた口調で答える。
「いや礫で怪我をしたんですけど変なんですよ! いつもなら『回復』無しでも少しづつ治っていくじゃないですか? 今日は全然治らないんですよっ!」
「えっ! 魔神の再生力も? おかしいわね…… と、そんな事言ってる場合じゃないわね! 『偽神』、『全回復』、あら?」
首を傾げながらも緊急事態だと見て取ったガトは、スキルを発動して変身し、即座に回復系最上位のフルヒールを掛けてくれたのだが、言葉尻の疑問形の不穏さにヤバい最中のレイブは戦慄と共に疑いの声を上げる。
「何だよ? 痛みが引かないし…… 寧ろ増してるぞ、おい? 激痛が爆痛? 極痛ってーの? おいガト、俺ってまだ立っているんだよな? 若しかして寝転がっているのか?」
無論、レイブはシュカーラに支えられてグラグラしながらも直立している状態だ、これはヤバい、本格的に。
前後不覚で自分の平直の具合すら判らなくなってしまった可哀想な幼馴染の顔に向けて、目を細めた自分の顔を至近まで寄せたガトは、美しい容姿の眉間に怪訝の感情を色濃く映して伝える。
「んー? アンタ一体何したってのよ? 別のが入っているみたいだわ…… これじゃあ回復系は効かないでしょうね~、あれって本体か内包しているアートマンのRNA、リボヌクレオチドの情報を元に治すじゃない? 再生の為に縋るべき鎖が二つ、それをスキル自体が忌避しているのよ、判る?」
レイブは無事な方の眼球をグリンと明後日の方向にひっくり返しながらなんとか返す、凄いぞ生命力or根性っ!
「判んねーよ! 痛いんだぞ、おいっ!」
ふむ?
「つまり今アンタの中には、レイブ自身の魂以外に二つのアートマンが入っちゃってるって事なのよ! 一つはアスタロトの三分の一でしょ? もう一つはぁー? ……うん、存在が小さすぎて特定は無理かな、でも小さくても純粋さは物凄いわよ? だからアスタロト入りの体でも取り込めないんだわ! きっと!」
「どこだっ!」
「えっ、ど、どこって?」
白目で首から上をグルグル振っているレイブの叫びに真意を量りかねたガトが質問に質問で返す中、冷静な声は肩を重ねた真横から届けられる。
「顔の内側辺りですね、治らない左目の奥、人差し指の関節二つ分、不自然な魔力の揺らぎはその位置ですね」
「応っ」
声の主、シュカーラは魔力を見る為に細めていた目を見開く事となった。
短い返事と同時にレイブは、支えられている右手ではなく左の腕を目にも留まらぬ速度で動かし、狙いを過つ事無く自らの左目を眼球と周囲の骨肉ごと抉り出してしまったのだ。
「な、何を馬鹿な事をっ!」
「レイブっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡