【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1677.依り代
バアルはハスドルバルに微笑みを向けながら言葉を続ける。
「まあ良いさっ! それよりも…… どうだい?」
「は? 何がでございますか?」
まあ主語も何もあったもんじゃない雑な質問でマトモに答えられるヤツはテレパシーとかマインドリーディングとかの使い手位だろう。
残念ながらそれらのスキルを持ち合わせていないらしいハスドルバルが答えに窮する中、前に立つバアルは判り易くガックリと頭を垂れて、その様子に気が付いたハミルカルは慌てて自分の次男坊を注意する。
「ば、馬鹿者! どこに目を付けて居るのだ貴様はぁっ! ほれさっさとその節穴を見開いて我が君のお姿を良く見させて頂くが良いっ! この粗忽者めがっ!」
言われて顔を上げたハスドルバルは呆けた様な声で言う。
「え、あっ、ああ、依り代を変えられたのですかっ! 今度は女形なのですね…… 誰です?」
「むうぅ……」
「ば、馬鹿者っ! もっとこう言うべき事があるだろうがっ! 美しいですね、とか、何とも神聖なムードが、だとか、うへぇっ、こりゃたまりませんなぁげへへへ、だとかぁっ!」
「あ、ああっ、美しい女性だと思います、が、どなたなんです? 我が君?」
「ふっふーん♪ 誰だと思うのさー?」
「ほれっ! どこの誰だと思うのだっ! ちゃっちゃとお答えせんかっ! この馬鹿息子っ!」
面倒臭いなー、そう思いながらもハスドルバルは真新しい女形を褒めて欲しそうなバアルを構ってあげる、優しい。
「あーそうっすねー…… 何と無くですけどー、こー、神聖? ってか清純とか清廉? こー身なりとか装飾もなんですけどちょっと格式? 無理やりーでは無いんですけどー、そう言った付属物とかで立派に見せようとしてるってーかぁ…… あっ、それが悪いとか見え透いてるとかじゃないですよ? 本当! 普通に立派で別格な方に見えますからぁ…… そうですねっ、あっ! アレじゃ無いですかっ! ほら神託の巫女とか言ってたキュベレーでしたっけ? 自称地母神とか言ってた『知恵の保護者』じゃ無いですかっ! どうです? 当たりました、我が君?」
「えぇー」
あからさまにガッカリして顔を顰めるバアルにハミルカルのフォローは猛ダッシュ、速攻ヒントで助け舟だ。
「馬鹿者っ! キュベレーは畏れ多くも御兄上君、ルキフェル様がお使いになって居られた依り代、真なる聖女様では無いかっ! じょ、冗談とは言え、ぶ、無礼が過ぎるぞっ! はははっ、バアル様どーも済みませーん、ウチの子馬鹿なんですー! えへへー」
こんな判り易いおべっかの言葉で気を取り直したのか、表情を戻したバアルの声音は少し嬉しそうである。
「良いってハミルカルぅ! あれでしょ? ハスドルバルから見たらさ、この姿がルキフェル兄様の依り代並みに素敵に見えた、って事なんじゃないかな? だったら僕も大満足さっ!」
うん、こいつも極端な狂信者、いいやブラコンだったな、うん。
ご満悦なバアルにハミルカルが一言付け足す。
「我が君、現在のお姿は女性でございます」
「あっ、そっか、んじゃ訂正! 妾大満足さっ!」
「お喜び申し上げます」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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