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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1215.落下


『あああぁぁぁ! お、落ちるぅーっ!』

「ひ、ひいぃっ! ギ、ギレスラーッ! は、早く、た、助けてくれーっ!」

 そう、こんな場合でも大丈夫、レイブのスリーマンセルには頼もしい仲間、大空の支配者たるニーズヘッグ最後の生き残り、ギレスラがいるのである。

 レイブの叫びが終わるのを待つまでも無く、頭にテューポーンを乗せたギレスラは谷に向かって羽ばたきを始めていた。
 そのままペトラの背中、レイブが跨っている場所より少し後ろの丁度中央にあたる場所を、後肢の逞しいカギ爪で確りと掴み、そして、一緒に落下し始めたのである。

 レイブの声が奈落に響き渡る。

「おいおいおいおいっ! 頼むよギレスラーっ! 落ちてるよ、落ちてるってーっ!」

『グオ、お、重い……』

『失礼しちゃうわね! 豚猪にしては細い方なのよ、アタシって!』

「良いから! 根性だギレスラ! 根性見せろっ!」

『グガァ! む、ムッシュムラムラァー!』

 ギレスラの頑張りでわずかながらではあるが落下速度が緩やかになった、とは言え、このレベルで落ちたら無事では済まない位の勢いは充分過ぎるほど残っている。

 レイブの指示も命懸けだ。

「頼むっ、頼むからっ! もう一丁根性見せてくれギレスラ! テューポーンさんも飛んで飛んでっ! ペトラは、えっと…… 痩せろっ! 可及的速やかに痩せ衰えてくれっ!」

 健気なものだ……
 ギレスラは顔面を引き攣らせつつ馬鹿みたいな勢いで翼を動かし捲り、テューポーンはペトラの尻辺りに飛び移って必死に小さな羽をパタパタやっている。
 ペトラも意味は無いだろうに、自分のでっぷりとした中バラ肉から下バラ肉、所謂いわゆるデジカルビを引っ込める為に目一杯息を吸い込んで止めているようだ。

 一方のレイブは素早く落下地点周辺に目を配り、目聡く一つの可能性に気が付いたようだ。

「岩場の横に小さいけど池がある! 何とかあそこに降りられないか! ギレスラッ?」

『も、もう…… 限界……』

「ぐっ! 良し! 俺が飛び降りるからペトラとテューポーンさんを頼む! 頼むぞ!」

『レイブっ!』『レイブお兄ちゃん!』『ギギギッ!』

 止める間も無く大空へダイブしたレイブの顔は満足気な笑みを湛えていた。
 それは自分の事など微塵も頓着していない、只々仲間達の無事を祈っているリーダーの覚悟、そんな物に満たされていたように見えた。

ヒューゥ、ゴギャッ! バタバタバタ…… ドボンッ!

 スリーマンセルで一番小柄とは言え、筋肉質の大男が抜けた事とギレスラの限界を越えた奮起によって、レイブを除いたメンバーは、無事彼の指定した池の中へと降り立つ事ができたのである。

 鱗や毛皮が濡れた事を歯牙にも掛けず、ギレスラとペトラ、それにテューポーンはレイブが頭から落ちた岩場に向かって走り出していた。
 近付いたそこには、見慣れた黒衣に包まれたレイブが、力なく仰向けに倒れている姿が有ったのである。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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