【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1462.ミスター
肩を掴まれたままのレイブはダックブルーの瞳を覗き込むようにしながらオズオズと語り掛ける。
「あのシドさん? 何やらご存知な感じですけど…… この『エクスプライム』ってスキルは何なんでしょう?」
シドは表情をそのままに、視線だけをレイブに移して答える。
「『エクスプライム』はかつて我々悪魔を率いた聖魔騎士善悪のスキルだよ…… 魔王オルクスが彼の為に作り上げた専用スキルだったんだ…… 一体どうして彼だけのスキルを君が……」
「ええっ、そうなのっ?」
無言で頷くシド。
それから彼も含めた全員で、膝を突き合わせてエクスプライム習得の経緯を探り始めるのであった。
シドはまず、一同に対して悪魔が持つスキルの特性について説明する事から始めた。
悪魔はそれぞれ種々様々な技や魔法、所謂スキルを持っているかに見えるが、実の所、殆どが系統毎に分類されている。
親から子、姉妹兄弟間で同系列のスキルを所持する例が多く見られ、自らが主と認めた上位の悪魔から技巧を学ぶ事も一般的なのだ。
そう言った意味では、ニンゲンの遺伝や徒弟制度に於ける技術の伝承に酷似しているとも表現できるだろう。
と来れば、技能のレベルが上がるほど正確な継承が困難になる事も想像に易いのではなかろうか。
名人や名工、天才等と称されたニンゲンの後を負う事は、子や孫、長く努めた高弟でも一筋縄ではないし、英雄や偉大な建国王等も同じである。
オーディエンスの皆さんに判り易く言えば、野球のあの人、サッカーの彼、フィギュアの彼女や将棋の彼なんかを思い起こして頂ければ良いだろう。
体格や才能に恵まれ高度な教育を施され、更には環境もバッチリだったとしてもその子が跡を全う出来るとは限らない。
いわゆるひとつの才能が能力だとしてもですね、花咲く花ではない花だと、ややもするとそう言うひとつの可能性である可能性がある訳なんですよ。
そんな場合もあるのだ。
もっとこう鋭くシャープにパァーっと来た所をガっと捉えてスパーンっとやれば野性の勘がブワァーっとなってダァーっと行ってシュパっとしていたかも知れないが、少なくともミスターの跡を継いだとは言えないだろう。
寧ろ空手やテレビタレントとしての才能の方が息子としてはジャストにフィットしていたのだ。
正に失敗は成功のマザー、そう言う事なのだろう。
少し横道にそれてしまったが、シドは説明の最後をこう締め括る。
「兎に角、善悪は自身のスキルを誰にも伝えなかった、と言うより伝えられなかったんだよ…… 努力はしたけど一人娘も直属の部下たちも誰も習得する事が出来なかったんだ…… かく言う私もチャレンジしたんだけどね、残念ながら覚えられなかった…… 善悪とコユキのスキルだけはね……」
「その内の一つがエクスプライム、な訳か……」
「その通り」
「むーん」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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