【2165話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2165.戦う意味
『あっ! お、親父ぃっ?』
『ウオオォォーッ! 待ってろパリーグっ、今行くぞっ! ガオオォォォーッ!』
『え、お? う、うおおおー! お母さーんっ!』
茶色の閃光が真紅の光に後方から迫り、直後にもんどり打って転がったのは紛う事なき雌ライオンの魔獣、パリーグであった。
土に塗れ全身から夥しい鮮血を流しながらも再び戦いの構えを見せる妻の姿にレオニードが堪らずにトラックから飛び降り、倅のパダンパも唯々諾々な感じでそれに続いたのである。
ギレスラが叫ぶ。
『お、おいペトラっ! 我等も向かった方が良いのではっ? パッと見、あの親子では相手にならないのだっ!』
『んー、ちょっと待ってね、これ、アタシ達が参戦する意味あるのかしら?』
『なっ! ……もしかして、無いのか?』
『うん、だってね――――』
ペトラは話した。
そもそも茶色の閃光、ほぼ百パー聖王で野ウサギのペジオ、所謂、ピョン壁が敵意剥き出しなのは森王ダソス・ダロスとの私怨に過ぎない、もっとはっきり言えば、川に流された仲間をむざむざ見殺しにして置いて、更にロクに覚えてもいやしない、薄情者のクソ野郎、あの大猪、判り易く総身に知恵が回り切れていない大馬鹿だけの問題ではないのか? と……
『む、だがガトや獣人達もやられてしまったのでは無いか?』
『そうね、でもギレスラお兄ちゃん考えてみて、もし自分が昔馴染みのパーティーメンバーに鬱屈としたやり場のない怒りみたいな気持ちをぶつけている最中によ? 良く知らない半獣どもや見ず知らずのおっさんっぽい巨人が襲い掛かって来たとしたら…… どうかな?』
ギレスラの脳裏に言われたままの景色が再生された。
彼にとってパーティーメンバーと言ってもレイブとペトラだけである。
両者に対して自分がそれ程の怒りを抱く事があるだろうか? しかも流血しても攻撃の手を休めないなんて狂戦士紛いのハクスラで? 無いな…… 絶対無い……
『ペトラよ…… 例えが判り難いのだ…… 我は自分がお前やレイブに対してそんな風に怒れるとは到底思えないのだ』
『え、そ、そう? 判り難かったかな?』
『当然なのだ、考えてみるが良い、お前自身が同様に攻撃された際、他者の干渉を許す程我やレイブを痛めつける事が、出来るのか?』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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