【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1380.アサンプション
「しかしありゃ魔獣じゃないな、凶暴そのものだぜ…… うん、モンスターだな! 良し、狩ろう」
レイブが確信を持ったのも頷ける。
件の化け物ネコは、性質も見た目通りに凶悪らしく、自分の周りを取り囲んだバイコーンの群れに対して、容赦無い攻撃を繰り出し続けて休む様子も見せていない。
それに良く見れば後肢の一方に大怪我を負っているらしく右肢だけで踏ん張っており、時折バランスを崩してよろけている事が見て取れる。
効果の大小に差こそあるものの、魔獣が得意としているスキルは回復や治癒、自身の豊富な生命力を使う癒しの技に特化されているのだ。
自分の怪我をそのままにして戦いに夢中な魔獣など聞いたことも無い、間違いなくモンスターの類だと思われた。
更に言えば、唸り声に合わせて撒き散らされている大量の涎の存在や、既に踏み潰したバイコーンの亡骸にまで繰り返し爪を叩きつけている様子には、一切の知性を感じる事が出来無かった。
魔獣は賢いのだ、少なくとも会話が可能な位には。
それらの結果からモンスター認定をした化け物に向けて、レイブはバイコーン達が犇く罠の底を移動し始めたが、その姿は正に無人の野を行く如き風情であった。
進行方向に立ち塞がるバイコーンは殴り飛ばし蹴り倒しながらずんずんと進み、側面や後方から襲い掛かった個体には好きな様にさせたまま構う事無く歩いて行く。
その身に一切の傷を受けていない所を見るに、攻撃された場所に部分鋼体術を施しているのだろうか?
だが不思議な事に、襲い掛かったバイコーン達は直後、一様に粉々に砕け散っていた。
どう見ても何らかの反撃を受けた様にしか見えないのだが、レイブが何かしている素振りは一切見られないのである。
そのまま死を引き連れた死神みたいな感じのままで、前方を阻む最後のバイコーンを殴り飛ばしたタイミングは、目の前に開けた視界の中で件の化け物ネコ、略して化け猫が周囲のバイコーンを振り飛ばすのとピタリと合致していたのである。
自然、殺意に篭もった視線を交し合った両者の間に、何とも言えない緊張感が張りつめて行く。
ゾクッ
化け猫の血の様に真っ赤な瞳と目が会った瞬間、レイブの背筋に尋常ではない悪寒が走る。
――――殺られる
思うと同時に化け猫に向けて飛び掛ったレイブの動きは素早かった。
全身の筋肉や腱を限界まで強化した上で、必殺の一撃を与えるべく握りこんだ拳が化け猫を粉砕しようとした、その刹那、
『人間、か?』
「っ! ぐあああぁぁぁぁーっ!」
…………化け猫が語り掛けた言葉に気が付いた瞬間、インパクト間際の体を無理に捻ってしまった為、勢いだけはそのままに先に有った壁面に変な姿勢で突っ込んでしまったのである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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