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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

970.ふっ!


 ソレより特筆すべきは前述したスリーマンセルのバケモノ化…… いいや、成長についてであろう。
 わずか三日ばかりの事であったが、生きたままの生命力をそのままに圧縮して搾り出した生魔物汁、言い換えればフレッシュモンスタージュースは慮外に凶悪な代物だったのである。

 可哀想で哀れなモンスターの絞り汁を、乾杯よろしく口にしたスリーマンセルは声を揃えた。
 最初の日。

「『『ウッ! ウウウウゥッ!』』」

 三者は全身のそこかしこを襲った気だるさと強烈な痛みに呻いたのであった。
 その痛みは紛う事無き魔力災害のもたらす、死の予兆に他ならなかったのである。
 ハタンガから避難した際に経験済みのレイブが痛みに耐えながらも大きな声でギレスラとペトラに注意を促す。

「ああ、これっ! この感じってヤバイやつだっ! ギレスラ、ペトラ! 今まで以上にグルグルやらなければ死んじゃうぞっ! グルグル言っている場合じゃないからねっ! 死にたくなければ、死ぬ気で魔力を回さなければ駄目だぁーっ! ムムムムムゥッ! ムムムムムゥッ」

 瞬時に答えたギレスラとペトラも大した物である。

『『ムムム…… ムムムムムムッー』』

 同じ様な声を発した弟と妹は、グルグルと言った声も漏らさず必死な形相で体内の魔力を過去に無いほどの高速で循環させ始めていたのである。

 今まで経験した事が無い、凶悪で容赦ない魔力に曝されてしまったレイブがまず、平穏を取り戻す事に成功し、僅かに遅れてギレスラ、そしてペトラが通常の状態に戻って来たのであった。

 スリーマンセルは言葉を交わす。

「だ、大丈夫だった? 今のヤバかったよね? ね?」

『ガアァ! シヌカトオモッタヨォ~ッ!』

『う、うん、やばかったね今の…… ギリギリ生きてられたって感じ、だったよ? やっぱ、モンスター汁って危ないわねぇ~』

「だね! 僕も死んでしまう、そうとしか思えなかったよ…… ふうぅー、取り敢えず皆無事で良かったよね! 一息つこうよ♪ 皆の無事に乾杯だよね、カンパーイッ!」

『カンパーイ』 グビッ!

『乾杯っ! ってこれぇ? グググググアッ! ま、又ぁーっ!』

 再び凶悪なモンスター汁 (スペシャルフレッシュ)を口にしてしまったスリーマンセルは、臨死を経験してしまい、翌日以降、懲りずに続けた試行によって人外、竜外、猪外の領域へと踏み出したのであった。

 何とか試練を通り過ぎたスリーマンセルは四日目の朝、こんな感じである。

グビッ! 「フッ! 何とか今日も生きてるね? ギレスラ、ペトラ、二人の体調はどうだい?」

グビッ! 『ダイジョウブダヨォ、ググッ、フッ! フウゥ、ゼンゼンカイチョー! ガッガッ♪』

グビグビィッ! 『ふむ、ふっ! ……うん、今日も大丈夫だわ! 心配しないでねお兄ちゃん達ぃ! あはは、んぐんぐ、くぅぅ~、ふっ! うん、大丈夫ぅ♪』

「そっかそっか良かったよぉ~! んぐんぐ、来たな来た来た来たぁ~! それっ、ふっ! ふっ! ふっ! と…… 良し良し、今日も何とかなったようだね♪ 良かったぁー!」

 お分かりだろうか?
 ふざけ半分で毎日モンスターを搾って飲み続けていたスリーマンセルは、意識しないままにこの時代の最悪の災厄である、魔力災害を『ふっ!』と言う気合一言で何とか出来ちゃう位まで急成長を果たしてしまっていたのであった。

 ってか、『ふっ!』ってなんなのだろうか?
 そんなに凄い言葉だと言うのなら私も言ってみようかな? ふっ! ふむ、何も起こらなかったが……

 とは言え、彼等スリーマンセルには重要なキーワードになっていたらしい。
 その後の二日間、『ふっ!』とか『ふふふっ!』とか『フッゥ!』とか、言い続けたことを観察済みの私、観察者が請け負おう。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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