【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1576.吸血鬼からのお願い
ヴラドに向けられたぞんざいな扱いに端を発した自分達の置かれてきた境遇に感謝を感じたレイブは、穴だらけの背中を自慢気に向けるブラチと、何が楽しいのか彼と肩を組んでげへげへ笑っている下帯一つの変態中国人に背を向けて、立てた親指を自分の肩越しに指してヴラドの不健康そうな顔に話し掛ける。
「酷い言われ様に聞こえるが、良いのか?」
ヴラドは静かな笑みを浮かべたままで答える。
「勿論、皆の言う通りですから、元より世話になりっぱなしで、はは、怒る道理がありません」
「ふーん、そっか」
歯応えの無い返事にどこか釈然としない気分を感じながらもレイブは話を切り替える様にマナナンガルに向き直る。
因みにギレスラはいつも通り無表情、ペトラはヴラドに向けて頬を膨らませたりしている、それぞれ思う所があるのだろう。
「大苦労してここまで来たのは良く判ったけどな、んで何でここに留まったんだよ? ハタンガならもっと西だぞ、尤も今向かっても手遅れだけどさ、居るのは俺たちの師匠だけ、モラクスって悪魔入りの依り代が暴れてるだけなんだぞ?」
マナナンガルは答えたが何故か脇腹は捲くったままで傷を見せながらだ、若しかしたらここいらで流行っているのかも知れない。
「はい、この先は山が幾重にも連なり延々と続いているのでしょう? ここに来た当初、ヴラドが調べてきてくれました…… そして話し合った結果、皆で留まる事にしたのです、あくまでも一時的な事なのですが……」
一時的で数千年か…… 改めて悪魔とそれ以外の時間間隔のずれを感じざるを得ない事案だなこりゃ。
レイブは余計な事は他所に話の主題について返す。
「確かに峻険な山道が続くけど言う程の難所じゃ無いぞ? 精々二、三日野営すれば山の向こう、平原に出られるけどなー?」
マナナンガルは肯定の首肯と共に続ける。
「ええ、仰る通りです、然し我々の多くは夜は深い眠りに就くのです…… 起きて活動出来るのはヴラド達だけ…… モンスターや野生の猛獣、それにドラゴンが跋扈する中、彼の仲間だけでは群れを守る事などとても叶いません…… それで止む無くこの坑道に留まる事にしたのです」
言葉に合わせてヴラドも頷いている。
その姿を目にしたレイブは視線をマナナンガルに戻して先を促す。
「なるほどな、それで?」
「はい! 今の事情をテューポーン様にご説明させて頂いたところ、自分の主、つまりスリーマンセルのお三方にご相談する様に、そう仰って頂きましたのでここで待たせて頂いた、そういう訳でして!」
「俺達に…… そうなのか?」
『ジジ!』
『ふーむ、クルン=ウラフの人数と一緒なら夜の安全が担保出来ると考えたのだろうか? しかし、いずれにしても帰り、つまり竜王の里で用事が終わってからの話になるのだろうがな』
『アタシ的にはテューポーンさん相手にそこまで正確な会話が可能な事に驚いちゃったけどね、まあ、事情は判ったわ』
純粋な悪魔同士だからな、言語の壁とかそこら辺はゆるりとご理解頂ければ良いと思う、ほら、タロースやアガリアレプトのシドともコミュ力発揮してたよね? バッタ! うん、便利じゃないか。
対デーモン相手の通訳として新たな存在感を得た『百頭の魔』大地に潜む厄災は小さな胸を張り反らしている、嬉しそうだ、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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