【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1608.ドラキュラ
「さて、ギレスラはと」
気楽そうに呟くとテクテク近付き赤い頭をポンポン叩きながら声を掛ける。
「おいギレスラ! 起きれるか?」
『うぅーん、むっ? いつの間にか眠ってしまったのか? 我とした事が…… ふわーあ、それにしても酷い夢を見たのだ…… 吸血鬼、あのヴラドに殺されかける夢だったのだぁ……』
おう、それ自体は夢じゃ無くて現実だったけど正確には自殺か単独事故に近かったからね。
「そっか大変だったな、ちょっと付いて来てくれよ」
『お、おう、了解なのだ』
身を起こしたギレスラを従えてレイブが向かったのは、未だ一心不乱にキビを数え続けているヴラドの前であった。
ヴラドとキビの実を挟んで対峙したレイブは言う。
「おいヴラド、少し良いか? 教えて欲しい事があるんだよ」
ヴラドは目の前の小粒から目を離そうともしない。
「九千五百二十六、九千五百二十七、今、忙しいんです、九千五百二十八、九千――――」
「そっか、じゃあ仕方無いな」
「なっ、何を! あー数が判らなくなってぇっ! 又、最初から数えなくちゃ――――」
狼狽しきりのヴラドは、会話の途中で素早く背後に回り込んだレイブに羽交い絞めにされてキビの前から引き離され、泣き出しそうな表情で両手をキビに向けて伸ばしている。
「おうギレスラ、それ燃やしてくれ」
『ヴラドごとか?』
「何でだよっ、それじゃ俺も燃えちゃうだろ! そこの種、キビかな? そっちを頼む」
『何だつまらん、まあ了解だ』
カッ! チリチリチリチリ…………
予備動作も無く溜息みたいに吐いたブレスはキビの実を小袋ごと一瞬で灰も残さず昇華させてしまった、流石だ。
「あ、ああー、あーああーあああーあ、ぁ、ぁ、ぁぁぁぁぁー」
絶望としか思えない叫びを上げたヴラドはそのまま膝から崩れ落ち、るかと思われた瞬間、姿勢を正し、襟の瑠璃月色のボウタイを整えたりなんかしちゃっている。
地べたに座り込んでいたせいで付着したボトムの土埃を払い落とし、二度咳払いをして喉を整えた後、背負ったマントの片側を大仰に背後に払い逆の足を深く曲げ、そちらの腕を腹部に水平に沿わし独特なプリエでレイブに向き直って言葉を発した。
因みに顔は無駄に高い片襟に半分隠してニヤリとニヒルに決めたつもりらしい。
「とんだ所をお見せいたしました、どうか御容赦くださいませ…… 何かお聞きになりたいのでしたよね? 我輩でお答え出来る事でしたらどうぞ、ご随意に」
「お、おう、そうか」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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