【2261】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2261.諸悪の根源
「まあ、兎に角! そんな事情で聖王の僕にはアンラ・マンユを使う事は出来ないんだよ! 判ったか、豚? それにスベタ共! あっ、サタンさんも…… ですけど……」
言い方がなぁ……
粗雑に扱われた女性陣は、えっ、じゃあどうしようもないじゃん! だとか、そもそも依り代なんて何でも良いんじゃない? だとか? カメムシ寝落ちしてるしっ? だとか言っていたが、ここはレイブがビシっと決める。
「そうか、お前は取り出せないんだな、じゃあ次は鎧壁? のウィルって奴だよな? お前はそいつの事とかも詳しいんだろ?」
「ええ、縦綱、まあ知らない訳では無いですけどね」
お前等パーティーメンバーだったじゃん。
「どうだ、そいつは聖戦士の能力、依り代の取り出しとか出来そうだったり?」
そう来るよな。
「多分無理だよ、ですね」
「ほう、なんで?」
「僕がアイツを鎧と合体させた時に殆どの人間由来のパラメーターをオフったからだね、あっ、です」
又コイツじゃん。
「そっか…… じゃ、無理か……」
この世界の不幸って大体コイツが原因なんじゃね? そう思われたむきもいらっしゃるかも知れない。
それは概ね正解だ。
更に補足を加えれば、私、観察者が身を挺して聖邪を救う必要に迫られた件、あれもこのペジオのせいである。
『異種混淆』で不慣れなまま起動したカトリーヌの『転移』スキル、あれの送り先は『だっ、誰でも良いからっ、記録にある一番死ななそうな相手に送ってくれっ!』だった筈だ。
あのアドレス記録には当然だがナガチカと聖女美雪の座標も記されていた、二人と一粒種の聖邪が暮らしていたハタンガの自宅である。
優秀だったカトリーヌのスキルは『死ななそうな相手』、この指定をこの夫婦だと判断し、彼等の自宅に転移させてしまったのである。
そう…… あの日、彼等の自宅には幼かった聖邪独りが留守居をしていた…… 実の父にペンで刺されて殺され掛けて療養中だったのだ。
大人の聖女や聖戦士が御せないレベルの濃密な魔力、突然それを送り込まれた聖邪の肉体はあっけなく崩壊し始めてしまったのである。
魔力は生命力、そして濃密なそれは放射能と同義である。
まだ幼かった聖邪の肉体は急激な放射線被爆によって、DNAの損傷、細胞分裂の停止、造血障害、消化器官の異常、によってあっと言う間に破壊のプロセスを辿ったのである。
結果は以前の観察でご紹介の通りだ。
私、観察者が肉体と真核を与える事で、なんとか命を永らえさせ、彼が始めた観察が皆さんの目に触れる事となった訳だ。
そしてその後の世界、種を問わずに混乱を齎した存在の絆の消失、あれもコイツのせいである。
ある意味、堕肉の果て、この観察の生みの親がペジオだったと言う事実…… 忌々しいがぁ…… それも又、必要な手順ではあったのだ、ここではそう断言させて頂く事としよう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡