【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1428.ソロ
チャージ? そんな感じで首を傾げながらも同道していくガトと弟妹を見送ったレイブは、手持ち無沙汰を誤魔化しつつその場に残ったシュカーラを相手に中身の無い不毛な会話を続けていた。
「さっきステナと旦那っぽいゲッコー顔を見掛けたけどさっ、シュカーラ、お前はどうなんだよ? 相手とかいるのか? 案外子持ちだったり?」
「私ですか? まだ独り者ですしコレと決めた相手もいませんね、何分忙しい身なものですから」
「んな事言ってぇ、お前気難しそうだからモテないんじゃないのかぁ?」
「んなっ! 貴方って本当に失礼ですよねっ! 私はまだ焦る様な歳じゃないんですよ! こう見えて若いんですから!」
「あれ? 幾つなんだ?」
「十九歳ですが?」
「なんだっ! 同い年かよ? 更けてるよな、お前!」
「あのですね…… しっかりしているとかは言われますけどね…… 貴方みたいに不愉快に表現された事なんて無かったですよ? あの、更けては、いないですよね?」
「しっかりかぁー、まあ、そう言う感じになっちゃうんだよなー、変に気を使ったりすると却って酷いんだよなー、はっきり言った方が本人の為になったりすると思うんだがなぁー」
「え? どう為になると言うんですか? 具体的に説明出来ます?」
「そりゃお前あれだよ、髪型とか服装とかに気を使うとかさ! 話し方をもっととっつき易くとか? 色々あるだろ?」
「ふむ、髪型、ですか……」
「あの、あるんだよな? 髪の毛、とか? 剃ってるんだよな、ソレ? ん?」
「ふむ………… 一つ伸ばしてみましょうかね? どんなのが似合いますかね? ……レイブさん?」
「……済まないなシュカーラ! 楽しいお喋りは一旦終いみたいだぞ!」
「えっ? 髪だったらありますが?」
急に会話を終わろうとするレイブと、今後のヘアースタイルについて重大な情報を得たいシュカーラ。
答えを待つスキンヘッドを放置したままレイブは後方に視線を移して洩らす。
「あっちは…… まだ終わりそうも無いな…… となれば、グルグルグルグル」
石化の気配も無いのにグルり始めるレイブ。
見る見る内に、全身を包む紫のオーラは濃密さを増し、一見しても気付き難いが注意深く見れば体中の筋肉がしなやかに盛り上がっている事も判る。
どうやら、ここに来て身体強化を何枚か上掛けしたらしい。
元々、戦いに身を投じた時に掛けていた数回に追加で更に数回以上、普通の魔術師が行った場合、かなりギラギラな光沢に包まれている事だろう。
しかし、レイブの場合は例外だ、いつも通りの質感のナチュラルイメージを維持したままだ。
全能力を高める身体強化の技と、体の硬質化を図って防御力や打撃力の向上を図る鋼体術は同時に起こる事が基本であり、ズィナミ始め全ての術者が別個に起動する事が出来ない中、敵に攻撃を受けた際に、当該部位だけを硬質化させる事が出来るレイブだけに限った特性に因る現象だ。
魔力の消耗が激しい全身硬質化と比べてコスパ的にも優れている、そう高評価を受ける事が多いこの特性だが、実の所、意識しないでこうなってしまっている為、レイブ的には些か複雑な評価なのである。
鋼体術なのに体が硬くならない、おかしくね? 俺、出来てなくね? そんな風に、他者が達人と評する技を本人は自虐的に受け取っているきらいがあるのだ。
とは言え、ここまで多段掛けされた身体強化のオーラは結構凄い、金属質な光沢こそ無いが輝きはちょっとした照明を上回る位である。
しかも色は割とビビットな紫なのだ。
カリウムの炎色反応のデカいヤツ、そう考えて頂ければ的を射ているだろう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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