【1926話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1926.立て役
レイブの臀部再バルク計画は一旦置いておく事として、現状の対処に取り組むギレスラは腕を組みながら独り言だ。
『我等スリーマンセルがこれ程容易く瓦解の危機に陥るとは…… 考えてみればこれまで『回復』に助けられてやってこれたのだ…… ペトラにダダ坊にガト、それに脇役達…… 被りスキルの雑魚技術だとばかり思っていたが、パダンパの『治癒』が全然全っく一ミリも使えない代物だと白日に曝された今となってはその有難みをヒシヒシと感じざるを得ないのだ……』
『ちょ酷くないっすか?』
『まあ待つのだ、今対応策を思案中なのだ…… あー、同じ脇役ならステラに同行して貰っていればぁ……』
『ちぇっ!』
大概な物言いに反応したのは夜虎のレオニード父さんである。
『ギレスラ君! 直接『回復』を掛けなくてもレイブ殿の魔力が戻れば自己再生するんだろ? あの赤い粉、タンバーキラーとかいう美味しい奴食べさせれば少しは利くんじゃないのか?』
『おおっ! 冴えてるではないかっ、レオニード兄さんっ!』
『まあね、だって私、主役だからねー♪ ははは』
『主役? 親父、主役なのか?』
『当ー然♪』
そうだった…… レオニードは自分が選ばれし存在、所謂主役属性なのだと誤解中だったな……
事の真偽は兎も角、慌てて荷物の元に走るギレスラ、事態は逼迫し一刻の猶予も無いのだ。
竜王との言い争いに参戦前、ペトラが綺麗に並べて置いた荷物を覗き込んだギレスラは大きな声で叫ぶ。
『おーい! タンバーキラーの箱っ! 中身が空なんだが? どこかに移したのかーっ?』
パダンパが答える。
『知らないっすよ! あっ! そう言や親父が食べてたんじゃっ!』
レオニードも快活だ。
『ああ、昨夜から一箱貰ったよーっ!』
ギレスラは表情を絶望に変えて呟く。
『いや、一箱って…… そもそもタンバーキラーは一箱っきりなのだ…… にしても、この大箱をたった独り、一夜で平らげる? ちっ、脇役なんだから遠慮しろよ……』
レオニードはこの呟きを聞き逃さなかった。
すぐさま、自らの一粒種、倅のパダンパに確認を入れる。
『え? わ、私が脇役? まさかっ? 嘘だろ、なあ主役、だよな? なっ、パダンパ?』
倅、即答。
『いやー、判んないねー! 俺の中ではさっ、俺自身こそが主役だしぃっ?』
普通だ。
至って普通なのにレオニードは驚いたみたいだ。
『う、嘘だろ? 馬鹿息子より私の方が? 脇役、だと? 馬鹿な……』
うん、そりゃどんなモブでも自分を主役だと思っている物なんだよ。
そこよりも自分の息子を脇だと思っているだろう発言、親としてどうよ?
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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