【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1735.ゼバオト
余りに出鱈目な話に絶句したベレトにゼパルの言葉は続く。
「ゼバオトには内包された悪魔の力を行使する以外にも身に着けた者に与える能力がありました、覚えておいでですか?」
「確かソロモンの晩年だったな、それだったらあらゆる生き物の言葉が判る事と…… はうっ」
「ええ、指輪を炎に投げ入れると過去現在未来全ての問いに真実で答えてくれる能力です、恐らくその時点でカイムが指輪自体を支配していたのでしょう」
「マジか…… 滅茶苦茶な奴……」
「因みに同時期に囚われていた七十一柱、全ての能力やスキルも使えるポロ、そう言っておりましたな」
ガタッ ガタガタッ
驚愕に目を剥くベレトは落下寸前で何とか踏み止まる、猫の意地だろう、頑張れ。
「それ? ま、真か?」
「ええ、とは言え、複製は本家に比べると力が減退するポロよぉ、とかこぼしていましたがね」
「ほっ! それにしても恐ろしい奴だな……」
「ええ、全くです、同時に仲間、友としては頼り甲斐があります」
「何を考えているのか得体の知れない不気味さはあるがな」
「否定しませんクフフフ、ギヒヒヒヒ」
「お、おう…… お前も結構不気味、ご、ごほんっ! では暫しの別れだゼパルよ!」
「ギヒヒ、ご健勝を祈ります、ギーヒッヒッヒッヒー」
「さらばだ! ニャーン!」
こうして三柱の悪魔はルダを去り、ベレトの呪い不妊から解かれた村は唐突なベビーブームを迎える事になる。
ゼパルの力で強引に男女の仲を結ばれていた夫婦の離婚も爆増していたが、時代が時代なだけに大きな騒ぎにはならないで済んでいた様だ、不幸中の幸いだね。
さて、一方クルムバッハでは……
「どうやら魔王種、それもかなりの大物らしいですね…… 二柱、でしょうか、親父殿?」
「ああ、かつて魔神王配下で最強と言われた赤き騎士公、ゼパルと…… いま一柱はルキフェル様の寵姫であった邪霊の母リリス、いや、ベレトだったな…… 久しく見掛ける事も無かったが、まさか現世にいたとはなぁ」
ハスドルバルの声に答えた事情通はハミルカル、例の親子のやり取りである。
どうやら今回の現世遠征も長男のハンニバルはお留守番らしい。
親父、ハミルカルの姿は五百年前、カーミラの前に現れた使徒ヨハンでは無く、全身鎧に身を包んだ戦場での貴族指揮官然としていて、対する倅、ハスドルバルの方は傭兵司令官っぽい身形である。
揃って東を凝視している親子に背から声を掛けたのは案の定バアルであり、こちらも金属製のフルアーマー、男装ではあるがヘルムを外した顔つきは紛う事なきうら若き乙女の物である。
「ふんっ! 大恩ある兄様を捨てて逐電した大馬鹿共なんかどーでも良いじゃないかっ! それよりどう? これ、オルレアンの乙女、ジャンヌだよ! ふふん、良いだろぉ? ふふふふ」
うあぁマジか…… 本当に節操が無いなぁこの一味は。
恐らくセーヌ川でドブ浚いでも頑張ったであろう主に答える二柱も相変わらずだ。
全身鎧の親父、ハミルカル、いいや、見た目はジル・ド・レが恭しく言う。
「無論、お似合いですとも! なぁ倅、いや、ラ・イルよ」
「はいっ、素敵ですよ、我が君、いや、ジャンヌ様っ!」
「へっへーん♪」
次男坊はジャンヌの友、ラ・イルだった様だ。
良く三人揃いで集められたな。
しかし、コイツ等にとっては依り代がもうコスプレの衣装みたくなってんじゃないか? 不真面目極まり無いなっ! けしからんっ!
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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