【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1479.豹変
赤い方、エレーロギャップと言うらしいランプリーは僅かに距離を取ってどうやら警戒している様で口や体からシューシューと蒸気を吹き出させながらテューポーンバッタを注視している。
もう一方の水色の方、おそらくこっちがタリヒマルなのだろうが、こっちは特段動いてこそいないが周囲の空気がパリパリと音を立てて凍りつく速度が上がっている、若しかしたらやる気になってしまったのではなかろうか? こちらはこちらで中々に怖い。
化け物を呼び出したシドはと言えば、先程までと一切変わらぬ様子で首を傾げ何やら思案を始めた様だ。
割と良く通る声が小さな呟きを届ける。
「何だよー、依り代に入いちゃってんのかー、面倒だなー、んじゃいっその事テューポーンに殺して貰おうかなー? んでもコイツ等が世話になったランプリーだからなー、痛いのは可哀想だしー…… おぉ!」
物騒な発言をしているシドがレイブが握ったナイフを目に止めて大袈裟な叫びを上げた。
直後に嬉しそうに表情を緩めたシドは、気さくな足取りでレイブに歩み寄りながら言葉を続ける。
「便利なヤツ持ってるじゃないのー、それ神聖銀でしょー? 所謂神器だよねー?」
神聖銀、確か子供時代にボケかけた老豚猪とバストロの情婦、いや嫁さんがそんな事を言っていたな。
そんな風に思いながら、レイブはまだちょっとビビりながらも正直に答える、素直は美徳だ。
「確かにこれ神聖銀らしいですけど危ないっすよ? 竜とか魔獣とか掠るだけですぐ死んじゃうみたいなんですよね、これって」
「うんうん、だろうねー、でもねー、それってそもそも悪魔を依り代から分離させる為の道具だったんだよー? だからちょっと頼むよ、サクッといっちゃってくれればいいからさー! おーいっ、タリヒマル、エレーロギャップ、こっち来て並んでー!」
どうやらゼムガレのナイフの機能については充分把握済みらしい。
そう判断したレイブは、握り締めたナイフを腰に提げた糊袋に浸そうとした、いつも通り慣れた手つきで、である。
「あっ、そんなのに浸けなくて良いから! 抜き身で全然オケイだよー」
「えっ、でもそのままじゃ物の役に立たな――――」
「お゛い゛っ! なーにをモタモタし・て・い・るっ? さっさと並べよこのグズ共がっ! まさか貴様等私を怒らせるつもりじゃないだろうなっ! おいっ! 何をするか判らんぞ、産まれてきた事を後悔したくなければ早く並べよっ! コ゛ラ゛ァ゛っ!」
「っ!」
ここまでのキャラ設定を一瞬で崩壊させかねない乱暴な言葉を発したシド。
言われた対象であるタリヒマルとエレーロギャップ、二匹のオオヤツメウナギはそそくさと集合して水面から真っ直ぐに姿勢を正して直立している。
良く見れば双方とも小刻みに震え続けている事が窺い知れる、どうやらガチブル状態らしい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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