【2055話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2055.ミラーホリック
いつの間にか尻こだま集めが目的になった感もあるレイブ達、あと二つ見つければ、いや抜き出せば願いがかなったりするのだろうか? 願い………… そう言や何しに行ったんだったか、コイツ…………
はっ! 確かカメムシ長老、いやいや、出発時にはまだ臭いカメだったか…… の、代わりにヒュドラ用の依り代、赤ドラゴンを探しに向かった筈だったがぁ…… 何、おふぐりハントに勤しんでんだよ……
若しかしたら全てのふぐりを手に入れれば物凄い事が、的なロードオブザフグリなのかも知れないが、なにぶん無声映像ごしで甚だ不確かな観察なのだ、まるで判らん。
そんな風に観察者としてのフラストレーションが蓄積されたある日、相変わらず鏡面前に陣取っていたギレスラとペトラに語り掛ける声があった、パダンパ、ダソス・ダロスを従えたガトの物である。
「じゃあ行くわね」
短い言葉に赤竜と黒猪は振り向かず答える。
『あ? あー判ったのだ』
『てら、気を付けて』
完全にテレビっ子、若しくはネット中毒、ゲーム障害、はたまたスマホ依存症、それらに酷似した鏡面に対する習慣化沈溺性嗜癖的執着症、アディクションよりやや強迫観念めいたミラーホリックに侵されてしまった二者から、左右に立つミロブロに視線を移したガトは続ける。
「頼むわね二人とも…… 無理やりでも食べさせて、それになるべく夜は眠らせてね」
「了解です」
「嫌がるでしょうがお任せ下さい」
うん…… 支える周囲が大変なんだよな……
しかし、いつかは判ってくれる、そんな風に甲斐甲斐しく尽した所で成果が得られるとは限らないのが切ないパターンのヤツだな、コリャ。
やめたくてもやめられない、周囲に迷惑掛けている事も十二分に理解済みだ…… じゃあやめれば良いじゃん! ところがどっこい、中々そうはいかないのだ。
依存癖だけでは無いが、自身が反社会的、若しくは不適合性や異常性、悪かったり卑怯だったり狡かったり欲深かったり身勝手だったり、不潔だったり意地悪だったり弱虫だったり? スケベでも幼稚でも偏食でも学力や辛抱が足りないだけでも、自覚出来ている己の欠点を認められないのが人間、いや知性を持つ存在全ての特性、困った所だろう。
自分が悪い、この一点を覆い隠す為だけに、種々様々な言い訳やスケープゴートを見つける事に邁進し粉骨砕身するのである。
そんな不毛な事をする位ならもっと建設的な努力を始めれば良いのに…… そんな事はどーでも良い! 当事者にとってはそーなのだ。
私は悪くない! その証明の為だけに狂言の数々を生み出し続ける、それはそれは意外で突拍子もないとんでもファンタジーをも紡ぎ出したりもしちゃうのだ。
想像上の友達や恋人やストーカーから始まって、自分を狙う秘密結社に謎の陰謀組織、怪電波による攻撃から宇宙、過去、未来からの切迫した呼び掛け、小さなオジサン、妖精、チュパカブラ、どんどん増える自分の中の別人格…… だから自分は悪くないっ! 寧ろ被害者なんだからっ!
この段まで来ると、現実に存在して関わりがある存在なんかとっくに悪、極悪である。
相対的に自分のが善である為に口汚く罵らねばならない訳だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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