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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1152.落とし前


 額に汗を滲ませながら、レイブは懐から一本の竹筒、パッと見水筒に見える物を取り出しながら笑顔で語り掛ける。

「だからって何の詫びも無しと言う訳にはいかんよぉ! こちらの仲間のウッカリで迷惑掛けてしまったんだからぁ~! せめて、、この特性スタミナドリンクだけでも飲んで体力を回復して貰わんとぉ~! こちらの気持ちっ、気持ちって事でっ! 転がすよ? 飲んでね? ほいっ!」

 ふむ、誠実な対応と言えるのではなかろうか?
 敵に塩を送る、を地で行く、敵に回復ドリンクを送るとはレイブの潔さは上杉謙信並みだったらしい。

 コロコロと転がされた竹筒を片足で軽く蹴り上げ手に取る銀色の鬼神。
 油断無くレイブを睨みつけたまま蓋を取り、中の臭いを確認するように数回鼻をヒク付かせている。
 次の瞬間、額の中央から生えていた角が十二本に増えた。
 十二本と言えば現鬼王、ズィナミ・ヴァーズがガチ切れした際の本数と同じである。

 鬼神の声には冷酷な色が超濃厚に添加済みであった。

「これがスタミナドリンクか…… ラタトスクの糞が入っているようだが? 猛毒の」

「えっと、あれ? なんでだろ、う? 不思議……」

「戦いにいて手段を選ばない、清々しい程の畜生ぶり…… お前…… バストロとセスカの子、いや歳が近いか…… しかしてアイツの弟子か?」

「なっ! 何故っ? 貴方様はお師匠を知っておいでで?」

 鬼神は致死性の猛毒入り竹筒を握り潰しながら答える。

「俺はアイツの師匠、グフトマだ…… 不本意ながらお前の太師匠たいししょうになる、そう言うことだ……」

『グアッ?』

『マジで』

「残念ながらマジだ……」


 旅先での偶然の出会いは運命に導かれていたのか、死んだ筈の太師匠グフトマとの再会劇となった。
 容赦無い程の感動の場面だと言うのに、若々しい鬼神グフトマのこめかみはピクピクと痙攣し続け予断を許さない事この上ない。
 角も十二本のままでいきり立っている。

 対するレイブは目尻に涙を湛えて感動を隠そうともせずに大声で叫ぶ。

「太師匠っ! まさかお会いできるとはぁ! 孫レイブで御座いますっ! うわーん、おじいちゃーんっ!」

 両手を広げて体ごと抱き付こうと飛び掛ったレイブの顎は、グフトマの正確な一撃で綺麗に打ち抜かれた。
 良いヤツを食らったレイブは膝から崩れ落ち、意識を刈り取られてしまったようだ。
 流石は前鬼王の本気、角十二本と言った所だろう。

 足元で気絶している孫弟子を一瞥したグフトマはペトラとギレスラに向き直って言葉を掛ける。

「この馬鹿が目覚めるまでに話を聞かせて貰うぞ、まさか異論はあるまいな」

 ペトラとギレスラは無言のままでコクコクと何度も頷きを返し、バッタは倒れたレイブを起こそうと額に飛び移って何度もジャンプを繰り返していた。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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