【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1546.ハンドサイン
礫は空気を切り裂いて鋭く迫る。
一度だけでは無く投擲手は抱えた礫が尽きるまで、渾身の一投を的目掛けて繰り返し続けていた。
フェイントに緩急まで加えられたゴツゴツとした礫は、容赦無く的であるレイブの顔面を抉るかと思われた。
その瞬間、
「『反射』」
ガガガガガガッ
「「「「「「ワアァッ!」」」」」」
投げ手役の霊長類、ウータンギャルズが悲鳴と共に地に伏せる、全員判で押した様に頭を両手で庇いながら、である。
レイブに襲い掛かった筈の礫の全ては、衝突音を切欠に投げ込んだ本人に向けて勢いそのままに弾き返され、身を伏せたギャルズの頭上を掠めただけでそのまま飛び去っていく。
「おい皆無事かっ? ふぅ、大丈夫みたいだな」
ギャルズ達は臥したままそれぞれVサインやサムズアップのハンドサインを掲げて無事を知らせている。
端の方の一人だけはお洒落のつもりなのか手の甲を相手に向けたピースサイン、所謂裏ピースで返していたがこれは注意が必要な行為である。
オーディエンスの皆さんの時代で言えば英連邦の国々、特にイギリスやオーストラリアなんかでは例の中指を立てるポーズと同義にとられちゃったりするのである。
無用で意図していないトラブルを避ける為にも、外国を旅行する際には記念撮影なんかでピースする場合、掌を外側に向けた方が無難かもしれない。
……いや、しかし、イタリアやギリシャ、北マケドニアなんかでは、その形が罪人に石を投げる姿を模していて批判の意味もあるとかなんとかぁ……
うんっ、海外では自撮り一択、それが一番安全だろう、そうしましょう。
兎に角、おおらかで細かな事は気にしないレイブに向けた裏ピース、ファッ○ユ○は然程問題になる事も無く、この場に血が流れる事態に発展する事は無かった、良かった。
格好付けでグローバリゼイションに心を配れない端の彼女が起き上がって言う。
「ちょっと先生! アーシの頭、どうしてくれんのよっ!」
なるほど、彼女の頭髪が前髪から頭頂部にかけて一直線に無くなっている。
察するにレイブが反射させた礫がかすめる事で消失したのでは無かろうか?
と言う事はだ…… 彼女が示した裏ピースは本来の意味、つまり『くたばれこの腐れ○○○野郎っ!』を表現していたと! なるほど、寧ろ知英派だったと言う訳だな、これは私、観察者の早合点だったようだ、まだ若く見えるのに大した知見である、恐れ入った。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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