【1953話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1953.暗黒時代の始まり
和尚さんの人となりを詳しく知らないレイブは言葉を続ける。
「でもまあ赤の理由は判ったよ、アスタさん達を従えてる凄っい偉い人の言い付けだったら仕方ないよな」
『である』
『赤はドラゴンにとって特別、偉大な存在なのだ、グハハハ♪』
レイブ、ギレスラ、グラムランドの認識は漸く一致を見た、良かった。
現場に居合わせた地竜はその光景を思い出しながら後々こう語った。
『何か暇潰し? そんな感じだったなぁ、スリーマンセルの二者は豚、あっ、ペトラさんな? 彼女が起きるまで時間を引き延ばしたかった、今考えるとそうとしか思えないんだよ…… そうとは知らずに竜王様は馬鹿みたいに付き合っちゃってさっ、プフフ! ほら、アイツって基本図体だけだからさっ! 総身に知恵が、って奴? おっと、こいつもオフレコで頼むよ? いや、本当にっ!』
中々に面従腹背な侍従は、決まって引き攣った顔を浮かべる聞き手達に、続けてこんな言葉を洩らしていたそうだ。
『実際な、もう少し粘ってペトラさんが起きていれば…… あの後の事件も回避出来たかもしれんのだよ…… そうすればあんな思いはせずに済んだろうさ…… そう、暗澹な奈落を彷徨った期間、スリーマンセルにとっての暗黒時代は始まらなかった筈なんだよ』
それっぽさに溢れた言葉、では引き続き暗黒時代の到来とやらを観察してみよう。
ヴァミスの回顧は正確だった、酔って深い眠りに就いたペトラが目覚めるより早く事態は動き出したのである。
これは各々がロクに考えもしないで勝手に動き出し、結果に責任を取るとかが著しく欠けているスリーマンセル周辺では大変稀有な事である。
パダンパやミロブロ、レオニードであっても盛るだろう、主に自分が活躍した感じで改竄する、絶対。
そう言った意味でこの場にヴァミスが居合わせた事は幸運だったと言えるだろう、真面目で良かった。
暗黒時代はお爺ちゃん臭い事案で心をへし折られた筈のカメの言葉から始まった様だ。
『のうレイブ、儂って臭いのじゃろう?』
記憶の欠損が深刻の度合いを増し続けている様だ。
「え、あ、えーと……」
気配りで口篭るレイブにカメは顔を近づけて笑顔で言う、普通に臭い、スメハラだ。
『良い良い、臭いものは臭いんじゃから! お主等には辛かろうなぁ、んじゃが、それも今少しの辛抱で終いじゃ! 安心せいっ、ムフォフォフォ♪』
終い? あまりの悪臭に嗅覚がイカれるとかだろうか? しかし目にしみたり口の中が苦くなったりはするのでは無いだろうか。
「長老、死ぬの?」
なるほどその手があったか! ってかだとしたらやけに陽気じゃないか?
『何でじゃっ! 死ぬ訳無かろうっ!』
「そっか生きるんだね、良かったよ」
『てっきり公害レベルの己の悪臭で世を儚んで早まった事を、だと思ったのだ』
長老のキトラカメは、臭い問題について最初に言及したギレスラにはやはり内心で思う所、若しくは激しい殺意でもあるのか鋭い視線を送るだけで言葉を返そうとはしていない、当然ちゃぁ当然だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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