【1965話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1965.それは燃える命
我々、超越者で無いレイブには無意味な呼称はとっても重要らしく、いくら考えても憶えていないだろう自らのかつての個人認識用キーワードに思いを馳せている様だ。
キトラは再び自殺幇助依頼を試みる。
『まあ好きなだけ悩めば良いわい、取り敢えず儂の方、刺殺だけ先に済ませてくれんかのう?』
急いでいるらしい、この後予定でもあるのだろう。
「自分のアイデンティティに関わる重大事だよ? 後回しになんか出来ないよっ!」
アイデンティティ? 自分に全く記憶が無い幼児期の呼び方が関わるの? ふーん。
『何じゃ面倒じゃのう! 仕方無い、思い出してやるとするか、確かぁ……』
「おおっ! 流石長老っ、いやお爺ちゃんだっ! 頑張ってっ!」
お爺ちゃん呼び復活の巻。
『………………フューゴ?』
「お、おおお、悪く無いじゃんっ!」
逃げるって意味だけどな。
『はシーパイの村の子じゃったのう…… うーん、となるとぉ……』
「何だ、シパイのだったか! ま、まあ、でだしとしては良い感じだよ、頑張れっお爺ちゃんっ!」
名前で良い感じもくそも無いだろうに…… だがお爺ちゃんとしてキトラは必死に思い出そうとしている、盆暮れに帰省先なんかで良く見る景色だ。
ややあって、キトラは再び言葉を発する、曰く、
『アナスタシア? はあのオウガスタの娘、か…… と、言う事はスヴェート――――』
「良いじゃんっ! 光りとか輝きって意味だろっ? ぴったりじゃんっ!」
「良かったですね我が君っ!」
「おうっ、ありがとな♪」
「本当にぴったりです!」
「エヘヘ♪」
『いやっ、スヴェートは大きな子、イシヴィヴェノヴから来た子の名前じゃったわい! えーと……』
「えっ…… ま、まあ、そう来るかな、お約束的な? 感じ? だよな」
「で、でも我が君、流れは悪くないですよ? なあ?」
「確かに! それにこれでゴライアスの残りは我が君のみ! 次こそご尊名が明らかになる筈、ですよね」
「そうだ、そうだよな! 遂に俺の真実の名、真名が判るんだよなっ?」
『シットリクじゃっ!』
「え、スキットル? って強い酒とか容れるボトルとかの事だよな?」
「内に秘められた濃密な魔力、我が君にぴったりじゃ無いですかっ!」
「ああ、良いお名前です! 正に名は体を表す、ですね! 御見逸れしました」
「エヘヘ、そっか、スキットル、かぁ~、エヘヘ」
喜びに水を注すようで悪いが、爺の言ったのと少し違うぞ、やっぱり耳詰まってないか?
かく言う私、観察者もシットリクなんて単語? 言葉は聞いた事が無い。
寡聞にして、って奴かな? 若しかしたら意味なんて無くて音の響き的に素敵っ! とかのキラった系かも知れないが、兎に角初耳なのだ。
『スキットルじゃないぞえ、シットリクじゃわい』
ほれ。
「しっとりく? ああ、シットリク、かっ! えっと、ソレってどーゆー?」
だよな、あんまり一般的な言葉じゃないのかもな。
忠実な手下達、ミロンとブロルも頭上にハテナを浮かべたままだ、やっぱり聞き覚えが無いらしいな、そりゃそうだ、神である私が知らないんだからねっ、ふふふ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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