【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1454.シド・リキードフォルム
話している内に目の前のシド青年、と言うより中身のアガリアレプトのまともさと、自分達が擁するアスタロトのいい加減な場当たりさ加減の差に気付かされ、深く頭を下げたレイブとバッタ。
恥じ入る気持ちと同時に、まともな魔神が存在していた事にどこかで安堵を感じながら会話の続きを話し出す。
「で、シドさんはここで何をしていたんですか? それにこれからどちらに?」
もし予定が決まっていないのならば竜王の里まで一緒に行ってくれないかな? そしたら安心、いやはっきり言って楽が出来そうだな? そんな風に嫌らしい計算も込みで問い掛けた言葉であったが、その目論見は次の言葉であっさり断ち切られる事となる。
「あー、これから魔界に移動して体を回復させようとしていたんだよー、私ってこう見えて瀕死なんだ
よねー」
「えっ!」
パッと見元気一杯、緩やかな笑みも爽やかな好青年、シド・リキードフォルム君は死に掛けているらしい。
改めて青年の全身に意識をやったレイブであったが、やはり大怪我等は見つけられなかった。
それどころか、引き締まった白い肉体は強靱そのもの、身に付けた豪奢な武器や防具にも傷の一つも発見できなかったのである。
おずおずと確認を入れるレイブ。
「あの、ご病気? か、何かですかね?」
「いやー、私の真核を傷つけられてしまってねー、その治癒の為に一旦魔界に帰らなければならなくなったんだよー、このままじゃシドの肉体まで駄目になってしまうんだー」
あっさり笑顔のままで答えるシドにレイブ達の表情は一気に曇る。
「え、真核って俺達にも入っているヤツ? ですよね?」
『それが傷付くと我達も死ぬ、と言う事なの、か……』
『うあ、又アスタさんのチョンボじゃない…… 大事な事位は伝えて置いてくれないと…… 全くぅ』
死に掛けだと独白した者の前で自分達の心配とは…… あーあー全くっ! そんな風にがっかりしちゃった狭量な私、観察者と違って品格がレベチなアガリアレプト入りシド君は既にトレードマークっぽくなっている笑顔でフォローだ。
「いや、その心配はいらない、そう判断したんじゃないかなー? そもそも破壊や分割不可能って言われている真核を三つに分けているんだからさっ、そこら辺の養生、つまり強化策は確り施しているんだと思うよー、一応魔神な訳だしねー、それに普通の状態の真核だって簡単に壊せる代物じゃないんだからねー」
自分が死に瀕しているにも拘らず、今日出会ったばかりのレイブ達の心にまで寄り添うこの人格、いや神格か…… 例の四魔神プラス骨にも聞かせてやりたい、かくあるべしっ、と。
「そうなんですか? じゃあシドさん、ってかアガリアさんは何で死に掛けてるんです?」
おいっ、言い方っ!
「ああー、私の場合はねー、うっかり戦ってはいけない相手と戦ってしまってねー」
『うっかりさんなのだな、見た目より馬鹿なのか?』
もうっ!
「そうだねー、まさか相手が彼だとは思わなかったからねー、知っていたら戦いは避けたんだけどねー」
『魔神、ってアスタさんと同じ、テューポーンさん以上って事でしょ? そんなシドさんにそこまで言わせる相手って…… 教えてくれませんか? まだまだ今後のあるアタシ達がシドさんみたいになっちゃわない為にっ!」
………………これ悪化してないか?
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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