【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1264.糸口
突破口らしき糸口を見つけたペトラはいそいそと隣の照明に近付くと上に設置されていた赤い魔石を持って帰ってきた。
こちらはまだ魔力が充填されており、ペトラやギレスラが充填した物と見た目的には寸分の違いもない。
ペトラはこの魔石を今まで実験に使用してきた金属板の上に置いたが、当然の様に光る。
それから、レイブが空にして寄越した魔石に自分の魔力を充填して入れ替えるが、一瞬光っては消えてしまった。
これまでと同じである。
予想通りの結果だろうに、今度はギレスラが諦め切れないのか同じ行為を繰り返した。
その度、足元に投げ付けられる魔石を、黙々と空にして渡し続けるレイブは既に工業機械の風情を漂わせている。
ペトラは一度きりの試行で考え込み、ギレスラは同じ行動を数回繰り返していた、不毛だ。
何度やっても同じ結果しか起こらない事に、いよいよ業を煮やしたのか、最後には自分が充填した魔石をレイブの太ももの辺りに叩きつけるように投げて来る。
レイブは視線を外したまま器用にこれを避けつつキャッチし、ギレスラはその姿に癇癪を起こしたのか自分の前に置いてあったもう一つの魔石、こちらは長時間光り続けていた物も苛立ち紛れに投げつけた。
しかし、こちらの投擲もレイブを強打する事は叶わずに再び見事な動作によって捕球されてしまった、忘れがちだがこの工業機械、若しくは魔石吸収要員の運動神経は物凄いのである。
相次ぐノールックでの好プレイにギレスラは気を悪くしたのかそっぽを向いて愚痴を溢す。
『何も判らんじゃないか、ちっ、つまらんぞ』
『投げたら危ないじゃないのギレスラお兄ちゃん! アンタ、じゃなかったレイブお兄ちゃん、大丈夫だった?』
ギリギリで妹属性を維持したペトラの目には、魔石を両手にワナワナと全身を震えさせているレイブの背中が映っていた。
魔石は二つとも見事にキャッチしていたし、見た所外傷の類は見られない。
と言う事は、遂に弟妹達の仕打ちに怒りが爆発したのか、はたまた自分の不甲斐なさに正気を失ってしまったのだろうか?
プルっていた背中越しにレイブの声が響く。
「くっくっくっくっ……」
『む?』
『れ、レイブお兄ちゃん?』
押し殺した様な笑いはやがて快活で豪快な爆笑へと変わる。
「くっーはははははぁっ! 判ってみれば簡単な事じゃないかぁ! かはははっ! 我が劣弟と愚妹のなんと矮小な事か! 雁首揃えて必死な表情、それでいてこんな簡単な答えに辿り着く事すら出来ぬとはなーっ! あぁ、情け無い、なっさけなーいっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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