【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1228.注進
『料理』の考察や謎の言葉への興味を強引に幕引きにさせたレイブは、瞑目しながらブツブツと独り言のように呟きを繰り返し、暫らくすると真剣な表情を浮かべ、遠く離れたラマスに向けて思念を送り始めるのであった。
『いつもの報告だろう』
『ああ、なるほどね』
――――拝啓
平原を抜ける夕風が緑の大地に草を躍らせる宿営にて、
一昨日以来、学院の皆様には、益々ご健勝にお過ごしの事と存じます。
さて、日頃は何かと至らぬ私共に、色々格段のお心遣い、お心砕きをいただいております事、恥ずかしくも言葉では言い尽くせぬほどの感謝を感じております。
昨日はご報告が出来ませんでした、ごめんなさい。
とは言え、決して失念していたとかではなく、昨晩は思いも掛けない場所で過ごす事になったからなんですよ。
実は私の師匠、バストロのその又師匠に当たるグフトマ師匠と夕餉を共にしていたんです!
どうです? 驚くでしょう?
ラマスにとっても師匠筋の御大ですからね、ビックリするのは理解できますよ。
まあ、詳しい話はおいおいさせて貰う事として、今日は大切な話をさせて頂かないといけないんです。
こんな言い方をしたら緊張させてしまうかもしれませんよね。
でも大丈夫。
気分を落ち着けて聞いてくれれば心配は要りませんよ。
大切な話、それはズバリ、毎日の食事についての事なんです。
と言うのも、ラマスや皆が普通に食べているモンスターの搾り汁、スーパーフレッシュなのですが――――
「ミュート」
「ん? レイブ師匠からの報告?」
「うん、また食べ物の事ばっかりだよ、音消しちゃった♪」
「あはは、良いんじゃない」
「だよね♪」
――――ですから、本日からモンスターの搾り汁、及びフレッシュミートを食べる事を控えて貰わなければならないのです。
大切な事なので何度も言いましたが、いつ、トロルと呼ばれる人型モンスターに変わってもおかしくは無いのですから、必ず、かならずっ、周知徹底してくださいね!
絶対ですよ。
今日の報告はこれで終りにさせて貰います。
兎に角、大切な事だけを伝えたかったのです。
皆の無事を祈っています。
お休みなさい。
ありがとうございました。
敬具
東の平原にて ――貴女のキープ君、レイブ・バーミリオンより愛を込めて
『終わったの?』
「ああ、これでラマスや弟子達がモンスター化する事は無いだろう…… 肩の荷が降りたよ」
『そうか、モンスター化についてか…… 確かに、だな、それは大切なメッセージだよ、お疲れ』
『お疲れなさい』
「ああ、サンキュ…… んじゃ、寝るか」
こうして、大切な事を全く伝えられないままに、安心し切ったスリーマンセルはハタンガを抜けた東の平原で静かに眠りに就いてしまったのである。
夜半過ぎ、スリーマンセルは揃って激しい吐き気と強烈な腹部の痛みに襲われた。
原因は腐ったモグラか正体不明のヒルか、はたまたビビットな草の実だったのかは定かでは無いが、兎に角、平原に朝日が顔を出す直前まで、それぞれ草叢にしゃがんで額に汗、涙混じりで前日から続いた激動の時間を、魔力消化のぐるぐるとは別の意味でぐるぐる、いいや下っ腹をギュルギュルとさせながら締め括る事になったのである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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