【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1303.レイブ
弁慶の釣鐘と提灯所ではなく、馬鹿力の桁が違うレイブとペトラにその場にいる全員が口を閉ざす中。
ダソス・ダロスの腹の下辺りに向けてレイブの声が響く。
「んじゃペトラ、里まで連れて行っていてくれよ、俺はここを綺麗にしておくからさ」
肉に埋もれて姿は見えないがペトラの気楽な声が返る。
『了解了解、アイアイサー♪』
そのままゆっくりとしたペースで歩き出したペトラ、もとい、ダソス・ダロスの巨体を避けるように、獣人たちは里へと先行する為に慌てて走り出したり、横に移動して道を空けたりし始める。
昔馴染みのレイブを待とうと、その場に留まっていたガトは信じられない光景を目にする事となった。
ダソス・ダロスの体が横たわったままだった場所の中央辺りに移動したレイブが、しゃがみ込んで地面に手を置いた次の瞬間である。
周囲の魔力がレイブに向かって収束し始めたかと思うと、あっと言う間もなく消え失せてしまったではないか。
スキルを使う事が出来るガトは、当然魔力を見たり感じたりする事も可能である。
つい今しがたまでこの神殿的な建物の周囲には、慣れ親しんだ石化の谷を優に上回るほどに濃密な魔力、いや、既に瘴気と呼んだ方が相応な、有り得ない位に凶悪な空気で満たされていた筈だった。
純粋な悪魔なら兎も角、自分同様に依り代だとはいえ、生身のニンゲンが吸収出来る訳が無い。
そう考えたガトは慌てて声を掛けようとした、が。
遠目にしていたレイブの体は、誰の目にも明らかな変化を起こしていた。
具体的には、露出している肌の部分、顔や首、手足の色が灰色に変色して、質感も見るからに硬そうで乾燥した物へと変わっていたのである。
ガトは掛けようとしていた言葉を飲み込んでしまった。
レイブの身に起こった変化は、この時代に生きる者であれば誰でも知っている、例え、災害と無縁の生活を享受してきたガトや獣人たちであっても、である。
その証左に、ガトの周りに留まっていた獣人の何人かが口走る声が聞こえる。
「せ、石化、だ」
「おい、あの人死んじまったぞ!」
「神様の一味なんだろ? ヤバくねーか?」
そう、言い草は兎も角、レイブは石化してしまったのである。
呆然としているガトの耳に別の獣人が洩らした声が届く。
「おいおい、竜が帰って来ちまったぞ! 怒らないかな? アイツは怖いぞ~」
勝手な事ばかりだが、今日会ったばかりじゃ仕方ないよな、シュカーラよ。
そんな事を考えていると、地面に着地したギレスラが石のレイブに声を掛ける。
『大丈夫か? レイブ?』
「ふっ! んんー、ぐるぐるっと! んっ、ああ、問題は無いぞ♪」
『クアッ! 我は右の翼が少し硬化してしまった…… 後で削ってくれ』
「判ったよ、ギレスラ、抜かったな?」
『グゥ、面目ない、ググゥ』
「ははは♪ じゃ、里に向かおうぜ、ん? どうしたガト? 変な顔して」
この時代の常識を遥か彼方で覆した化け物どもにガトは返す、声は急激に擦れていた。
「アンタ等、って…… い、一体、何なの?」
「ん? んんんんー?」
『クア?』
ガトの不正確で甚だ不明瞭な問い掛けに、揃って首を傾げるレイブとギレスラであった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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