【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1601.伝統美
考えを途中で止めたのは他なら無い、ガトの腕に抱き止められたままのハンペラが頻りにローブの襟をグイグイ引っ張り捲ったからである。
自分の胸元に視線を落としたガトはギョッとした表情を浮かべて思わず息を飲むのであった。
「が、ガトぽん、アァシ、何か、さ、寒い……」
「えっ! ちょっ! し、確りしてよっ! 今、アンタしかまともなのって――――」
「寒いっ! あっ、暑いかも? ってやっぱ、サブイィ……」
「は、ハンペラちゃん」
呼び掛けたガトの声に対して、ハンペラからは一言の返事も返っては来なかった。
言葉の代わりにハンペラは顔を苦しそうに歪ませて、露出している首から上をビビットに変じさせて見せたのである。
具体的には肌のそこかしこを紫色や赤、黒、黄色に緑色、通常ではあり得ない水玉模様に変化させる事でガトに何かを伝えようとしている様であったのだ。
その意思はちゃんとガトに伝わっていたのだろうか?
ドサッ!
「コレも駄目ね…… やだ伝染ってないかしら? 恐いわね、全く」
ガトは自分の胸に縋るハンペラを即座に突き放す事に成功した。
色鮮やかになった汗だくのハンペラは、その場に力なく倒れてどうやら意識を失った様である。
用心深く思慮に優れたガトは接触部位を丹念にパンパン叩いている、流石だ。
ほぼ独りきりになってしまったガトは独り言を呟いた、結構大きな声で、である。
何故ならヴラドの勘定とドルドナの悪ふざけの声が煩かったからに他なら無い。
今は、安心して下さい、はいて、とかなんとか言いながら自分のスカートの中を指差したりしているがぁ、やれやれ、一体何が面白いのやら。
「やっぱりこっちを元に戻さなきゃ! ちょっとレイブ、レイブったらっ!」
「かっ、ひゅっ、かっ、ひゅっ、はぅっ、ひゅっ、ひゅっ」
「駄目か」
少し前までギリ笑い声だったレイブだが、既に声にならない空気音しか発していなかった。
恐らく長時間に及ぶ不規則な呼吸が横隔膜に変な癖でもつけてしまったのであろう、大変苦しそうだ、多分必要な吸気もままならない事が覗える、大変だ。
「となると…… ん? んん? あれ、この子ぉ、どこかで……」
次にガトが視界に捉えたのは訳の判らない事を叫びっ放しの痩せっぽっち、ドルドナの姿であった。
「ドルちゃんです、わわわわわ~!」
「ねえアンタ、ドルちゃんってゆーの? アンタ元気そうよね? ちょっと手伝いなさいよ」
「そんなの関係ねぇー!」
「いや関係ないかもしれないけどアタシ困ってんのよ、ほら、取り敢えず外に運び出したいんだけど独りじゃ引き摺る事になるじゃない? だから手伝ってよ、判るでしょ?」
「ヤバイよヤバイよ! これはリアルにヤバイヤツ! リアルガチで!」
「そうよ! だから急いでんの! ほら、そっち持ってよ!」
「運ぶのか運ばないのか、どっちなんだいっ!」
「なっ! アンタ何言って――――」
「パワーッ!」
「…………アンタ、まさかアタシの事、馬鹿にしてんの?」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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