【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1522.伝統の技
伝言の三つ目となる『馬鹿』状態のクルクルぶりを抑制する方法は無属性の透明な魔力を使用すると言う事であった。
無属性と言えば魔術師の専売特許、例のキラー系薬品やタリスマン、アミュレット作りに欠かせない技術である。
学院の遠征部隊、あちらでは大勢いる教授や学生達、彼等の獣奴やドラゴンも協力して行っているらしい。
手段としては単純で、『馬鹿』を囲んで無属性の魔力で包んでしまえば暫らくの間は大人しくなる、そんなざっくりした説明であった。
魔術師学院の名前が示す通り、関わるメンバーの殆どが無属性なあちらと違い、魔力が潤沢な個体のほぼ全員が悪魔入りなこちらでは逆立ちしようが泣き叫ぼうが土台無理な話である。
これについては聞かなかった事にしよう、さあ次は? そんな感じで師匠組がさっさと諦めかけた時、グログロが意外な言葉を口にする。
『ちゅかーらだったら綺麗なオーラでちから直ぐ出来ると思いまちよ、魔力量も多くてぴったりなのでち』
「わ、私がですか? で、出来ますかね?」
『うん、グログロがおちえるでち』
オーラが見えない所かこれまで魔力を意識した事すらないシュカーラに対して、さも造作も無い口調で告げるグログロにレイブとギレスラも興味津々な様子で注目している。
当のグログロはそんな視線など気にも留めない風情でシュカーラを座らせ、姿勢を正させると背後に回って指示を出しはじめる。
『では目を閉じて自分の両胸とお腹の間に魔力を感じてみるでち』
「魔力ですね、うーん」
『グニャグニャ動いている感じでちよ』
「あ、はい」
『何と無く他と違う感じで冷たい奴でち』
「は、はあ……?」
『判らないんだったら暖かい奴でつね』
「え、は、はい」
どうやら苦戦中らしい。
頭を傾げながら必死に唸っているシュカーラの後ろでグログロは大きく口を開けて息を吸い込んだ。
次の瞬間、
『ギャギャガガガガガアアアアアァァァァァーッ!』
馬鹿みたいな大音量で牙を剥き出して吠えたのである。
「ひっひえぇーっ! お、お助けぇーっ!」
真剣そのもの、夢中で頑張っている時の不意打ちである、シュカーラは耳も無いのにこめかみ辺りを押さえて蹲りプルプルと震え続けている。
グログロは吠え声よりボリュームを上げて叫ぶ。
『ちょれっ! 魔力出てるでちよっ! 両手を見るでち、目をほちょめるのでつっ!』
「えっ?」
反射的に自分の両手を見つめたシュカーラは細目のままで呆けた様な声を出す。
「これが…… 魔力……」
『でち、一回出れば何度でも大丈夫でちよ、弟子は皆、ラマス師姉に教わったでつ♪』
「は、はいっ、ありがとうございます、グログロ兄さん」
『礼は結構でちよ、ちょれより立派な獣奴…… 魔術師? あれ? チュカーラってニンゲン、でち?』
「あ、はいニンゲンなんです、すみませんちょっとヘビに似ちゃってまして」
『っ! ううん、どっからどう見てもニンゲンでちたっ! じゃあ頑張って魔術師になるんでちよ』
「は、はいっ、頑張りますっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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