【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1374.飛んで火にいる
対面から手を伸ばして干し肉を掴み、口に頬張るレイブがさも名案を思いついた様に言う。
「そうだ! ガトも試してみたら良いじゃん! 俺が搾ってやるからさ!」
「え、あ、アタシっ? い、いらないわよ! そんなの……」
「まあまあ遠慮すんなって! なあシュカーラ? この里にはいないのか? まだ生きてるモンスターってさ!」
シュカーラは腕を組み首を傾げた思案顔で答える。
「うーん、そうですね~、モンスターだったらあちらこちらに仕組んである罠に落ちるんですけどね~、ほら、さっき『再生雨』が降ったばかりじゃないですか? それまでに掛かった奴等は野獣に戻っちゃってると思うんですよね~、また明日じゃ駄目ですか~?」
なるほど、そう言やそうだったな…… んじゃ明日だな。
私だけじゃなく、集った面々もそんな風に思った丁度その時、周囲の獣人たちの間を縫って駆け込んで来た人物が慌てた大声を発した、給仕係りでレイブの為に肉類を調達しに行った鹿顔の獣人だ。
「た、大変です! 子供達は屋内に避難をぉー! 戦える方は協力して下さいっ!」
なにやら尋常ではない様子にシュカーラは顔を上げて返す。
「どうしたのです? 一体何が?」
「しゅ、シュカーラさん! 里のすぐ近くの罠に、きょ、凶暴なモンスターがっ!」
この言葉を聞いたシュカーラは、赤い先割れの舌をチョロリと覗かせて目を細める。
「ほぅ、そりゃ丁度良いですね、ナイスタイミングです」
横目の視線を送られたレイブも腰を上げながら悪めの笑顔だ。
「だな♪ よっこらしょっと、ガト来いよ! 搾りたてを飲ませてやるぜ」
「嫌よ! いらないって言ってんじゃないの!」
「馬鹿だなぁ、俺とお前の間で遠慮は無用だぞ?」
決して遠慮では無いと思うが、ガトの抗議は別の声が上がった事で続けられなかった。
鹿獣人の叫びは悲鳴に似たトーンである。
「そんな暢気な状況では無いんですよっ! モンスターが暴れているんですからっ!」
この期に及んで、まだシュカーラは涼しい表情で返す。
「いやいやいや、いくら暴れたって罠から出れる訳じゃないだろ! なにしろこのクルン=ウラフでは地表の下、面に合わせて例の結界が張られているんだぞ? ねえ、森王様?」
「そうなのか?」
『ええ、地面の下に掘られた罠、所謂、落とし穴は結界の外に張られたポケット的な奴なのですよ、ですからモンスター共は近付く事すら叶わない仕組みとなっているんです』
「ほー」
「ユイ様、ジロー様のなさる事です! 我等を護るきめ細やかな思いやり、正に微にいり細を穿つ亜神様の御技なのですよ、むふふふ」
瞑目し指を組んで祈るシュカーラは正しく狂信者の浮かべる悦楽に浸っているようだ、嬉しそうでなにより。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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