【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1769.おねだりネコちゃん
勝手に諦めて川に浸かって脱力したパダンパは、事もあろうか同じネコ科っぽいニンゲン、ミロンに助け出されてしまったらしい。
しかもミロンの相方ブロルに濡れた体を乾かして貰うとは…… 情け無い。
温風を当てられ心地良さそうなタイゴンの脇では、ギレスラが熾した焚き火に、ペトラがサワガニや川魚を叩き込んで調理中だ。
魚はテューポーンバッタが水面に浮かび、自らを餌に見立てて襲ってきた所を川原に蹴り出したヤツである、既に結構な水揚げになっている。
レイブは焼き上がった食べ物を客に振舞う為に一所懸命に煽いで冷ましている。
お客は猫舌、例の貧相なジャガランディの魔獣なのだ。
一行の中で一番早く、お花畑でのおいかけっこ風味で渡河を果たした魔術師とニーズヘッグは、捕まえたサワガニを生きたまま躊躇の一欠片もなく食べ始めた、何故なら野生児かつ胃腸が丈夫だったからである。
口の中を鋏まれたり仕返しに噛み砕いたりして笑い合っていると、件の死に掛けが話し掛けて来たのだ。
曰く、
『もし、もし』
「お、何だ?」
『コージョーセンキノーコーシン猫なのだ』
『実は道に迷い(生き様の方)難儀している者でございます、宜しければ何か食べる物をお恵み下さいませんでしょうか?』
と、そこそこ図々しく願い出て来やがったのである。
特段気前が良いとは言えないレイブではあったが、折良くバッタの乱獲が始まった事もあり珍しく快諾し、ペトラの、
『余りにも空腹な所に生食は勧められないわっ!』
といった極々当たり前の意見を容れて、ワイルドなバーベキューを始めた、と言う訳なのである。
本来レイブ達は魚類を食べない、かつてハタンガで禁忌とされていたからだ。
虫の仲間も同様だったが、蟹はぁ…… まあ、独自の判断で良しとしたのである、野生児だからだ。
となれば焼き上げている魚、マスか何かの大量なヤツはコージョーセンキノーコーシン猫専用となる訳だ、中々親切なスリーマンセルである。
『あの、そろそろ頂いても大丈夫かと……』
焼き魚の香ばしさに待ち切れない様子のジャガランディ、全く辛抱足らずの猫である。
食生活からかってを知らなかったレイブは慎重にならざるを得ない。
「ペトラ?」
スリーマンセルの知恵袋兼シェフはより完璧な思慮深さを旨としている。
『過度の空腹時には香辛料等の刺激物、高糖質な物、そして極度に熱した食べ物は避ける方が賢明だとされているわ』
『いや、大丈夫ですよ? それより腹が空いて――――』
「念の為だよ、俺達としても客に変な物とか食べさせる訳にはいかんしな」
優しい、不意の来客に対してこのおもてなし精神、立派である。
こんな思い遣りに答えるジャガランディの言葉はいやしさ満点だ。
『もう何日も水しか口にしていないんです…… 熱くてもスパイシーでも何だったら砂糖まみれの蜂の巣でも構いませんから、せめて一口、どうか! どうか……』
浅ましい……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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