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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1262.Division of roles


 既に仰向けに寝転がっていたレイブは事態の変化に上体を起こし、ギレスラも長い首を回し揃ってペトラの前に置かれた魔石を覗き込んでいる。

 なるほど、先程まで透明だった魔石はペトラが最近覚えたスキルによって魔力が充填されて赤く輝いている。
 しかし、下に引かれた金属板は光を発する事無くその他の変化も見られない。

「ふーん?」

 レイブは魔石を持ち上げると、中の魔力を一瞬で吸収してから再びペトラに手渡しながら言う。

「も一度やってみろよ、今度は俺達も見てるからさ」

『う、うん、『鑑定』、ほらっ光った! で又消えちゃったわ』

「ふむふむ?」

『どれ、我も試してみよう! ペトラ貸してくれ』

 ギレスラも興味を持ったらしく、首だけでなく体ごと移動してきた。

「良いよペトラ、俺が吸うからさ、ほいっ! ふっ! はい♪」

『ありがとレイブお兄ちゃん、優しいわね♪ はいギレスラお兄ちゃん』

 ペトラちゃん、優しいんじゃなくてそのお兄ちゃんは吸うしかできないからだと思うよ。
 もう一人の兄はどこかの役立たずと違って優秀である。
 あっと言う間に常温のブレスを吹きかけて、再び空になっていた魔石を真っ赤にフル充填させていた。

『ペトラ、置いてみよ』

『うん…… あら、今度は一瞬も光らなかったわ!』

『…………何なんだ一体? ペトラもう一回お前の魔力でやってみよう』

『そうね』

「ふっ! はい、空になりました」

 三度みたびペトラの魔力を魔石から受けた金属板はほんのわずかな時間だが光りを放つ。

『アタシの時だけ? 不思議だわ』

『もう一度我だ! ええいっ! レイブっ! 早くしてくれっ!』

「すみません少しお待ちをーふっ! お待たせしましたー」

 慎重に充填されたギレスラの魔力入り魔石を置かれた金属板は、前回同様光りはしない。

『むーん? 何故なんだ?』

『判らないわね? アタシとギレスラお兄ちゃん、それに最初に入っていた魔力に違いが有るのかしら、ハテナ?』

『うむ、いづれにしても何かが違うのだろう…… しかし、我とペトラだけでは検体が少なくて判断が付かんなコリャ』

『全くその通りね…… せめてここにもう一つ別の魔力が有れば…… あ、ごめん、有るけど充填が出来ないんだったわね! でしょ? まだ出来ないのよね? あっ、ごめんねレイブお兄ちゃん、気にしないでね?』

『ごめんなレイブ』

「い、良いんだ…… 俺こそすまん、役に立てなくて……」

『まあな、ふぅ~』

『あー又行き詰っちゃったわねー』

「だね、どうしよっかー?」

 レイブは今自分に出来る唯一の仕事、魔石の魔力を空にして二人に笑顔を向けている。
 返事は返さずに再び考え込んでしまったペトラとギレスラ。
 彼と彼女は気が付かなかった、笑顔のままで背けたレイブの目尻から一筋の涙が流れ落ちていく事に…… 頑張れよレイブ!

 と、応援したところで魔石を空にし終えた後は特段やる事もなく、かと言って努力の結果手に入れた自前のスキルを駆使している弟妹きょうだいの輪に参加できる訳でもなく、息苦しい時間を所在無さげに部屋の隅、角の辺りに視線を固定して過ごすしかなかったのだ。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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