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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1651.On the verge of war


 話が横道に逸れてしまった、戻すとしよう、あやうく、いや危うくなった大モラヴィアの王子達の話である。
 カーミラ達の護衛に赴いたのは、当然だが王家が認めた正式な守護騎士、つまり皆それなりの家柄に連なる子弟達ばかりである。

 報せがもたらされた日の晩、騎士達は露骨にそれぞれの派閥毎、互いに牽制する様な視線を交わしつつ、政治に踈いカーミラの目から見てもはっきり四つの固まりに別れて夜を迎えた。
 三人の王子の派を親や寄り親とする者達のグループと、新参で王国内に定かな後ろ盾を持たない者達、ここにはつい最近従ったばかりホヤホヤな直前まで敵対勢力だった家の者が集まっていた様であった。

 カーミラは家から連れて来た六人の侍女と二人きりのフットマンだけに守られながらその日の夕餉を終えたのである。
 夜半、吊り下げ式の古い馬車の座席で眠りに就いていたカーミラは、メイドに揺り起こされて目を覚ます事となった。

 声を出さぬ様、物音をさせぬ様にと念を押されつつ、両目をアラビア数字の三にしながらムニャムニャ言って手を引かれ、導かれた彼女の意識は一瞬で超覚醒せざるを得なかった。
 野営地から少し離れた木立の中、彼女の目の前で待っていたのは、故郷から同行して来た侍女の内五人とフットマン二人が完全武装、古代の伝説に聞いたダキアの戦士バリにやる気、いや殺る気満々で戦支度を完了している姿だったのである。

 随行の内、たった一人いつも通りの風情で自分の手を引いていたメイドのベラに彼女は聞く。

「えっと、これはどーゆー? ベラ?」

「お察しの通りです」

「えっ! な、何が?」

 残念ながら小娘な彼女は何も察してはいなかった様だ。
 構う事無く訳知りなベラは話を続けた。

 曰く、
護衛の兵士達の様子が尋常では無い事、皆で話し合った結果、杞憂かも知れないが一旦この場からカーミラを逃がした方が良いと判断した事、後は我々で何とかするので一刻も早く本領の屋敷まで戻って欲しい事、等を一気に捲くし立てられたのである。
 
 驚いた事に、顔付きにまだ幼さが残るカーミラはこの言葉に頷きだけを返した上で問いを重ねた。

 曰く(アゲイン)、
皆の言は理解した、しかしここまで馬車で二日を要した距離をどう戻れと? 危険が切迫しているのならば私も一緒に抗する方が生き残れる可能性が高まるのでは? だそうだ。

 流石はダキアの血を引く領主の娘である、まだ起き抜けの少女がボキボキと指を鳴らして微笑む姿は中々に魅力的、萌えってヤツである、やっぱ常における覚悟自体が違うんだろうなぁ。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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