【1973話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1973.剣と魔法と茶の香り
しかし楽園、か……
かつて世界が魔力災害に見舞われた中、魔界から運び出した貴金属に物を言わせた善悪が、コユキ達の制止を振り切って開業させたテーマパークが確かそんな名前であった。
淡路島のや沖縄のから着想を得て、無論、浦安や大阪からも目一杯パク…… ヒントを貰った体験型ファンタジーテーマパーク、その名も『剣と魔法と茶の香り グラムランド』。
広大な牧の原大地に広がる茶原の中で、本物そっくりな(本物)化け物や妖精を愛でつつ、ゲスト自身が北欧神話の英雄シグルズに扮して聖剣グラムを探して数多のクエストをこなしながらゴールを目指す参加型没入アトラクションは、日常に戦々恐々とした人々から一顧だにされなかった。
オープン当初から閑古鳥の大合唱が響く農業放棄地の中、諦め切れない善悪は大小の悪足掻き…… 改善を繰り返し家族達から失笑を買い続ける事になる。
主人公のシグルズを日本人にも馴染み深いジークフリードに変更したり、客層を広げる等と言うふわっとした理由だけでキャストの女性陣(悪魔)の衣装を大胆な露出だけが目立つ変態水着に替えさせたりしていた。
難易度を下げれば良いのでござる、そんな安直な考えから自分も冒険に加わり、案内役だけで無く先頭で戦い捲る『王国の剣編』リリースで遂にマニア的なファン層からも見捨てられる事となり、そのまま廃業、打ち捨てられたグラムランドはその後、廃墟マニア達垂涎の有名スポットとしてご近所の顰蹙だけを得た。
因みにお土産の主力として売れ捲るでござるよ、イヒヒヒ! そんな善悪の口車に乗ったヒロフミの先行投資した工場はあっさり潰れ、それ以降、二人が言葉を交わす事は無かった。
それがグラムランド、剣と魔法と茶の香りに包まれた夢の国の名前である。
因みにグラムランド(ルッカの方)の前任の竜王、ファフニールはこの大失敗テーマパーク開園当初のラスボスの名称である。
閉園間近はご想像通り、大魔王ザトゥヴィロが取って代わっていた、そーゆーいい加減さだと思う……
そんな事情を掻い摘んで説明したグラムランド(ルッカの方)にギレスラは返す。
『なるほど、神様が作り上げた楽園に由来する称号なら充分な礎なのだ、名に恥じぬ王として歩まねばな』
『うむ、そうか礎とはそーゆー事を意味しているのだな』
『重くとも背負う価値がある荷なのだ』
『正に、な』
いい感じで勘違いしているらしい、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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