【1963話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1963.ミーツー
慣れない大声で息を切らしたギレスラは最後に短い単語だけを繰り返していた。
ミーツーミーツー、と……
そもそもたった独りのシュプレヒコールだ、何が、私も! なのか? 見当違いも甚だしいが、思ったのなら、思ってしまったのなら仕方がない、良く思い出せば皆さんの時代、性的な被害や差別、様々な虐待や不条理に声を上げたミートゥー運動にも不思議な光景が散見された物だ。
高齢女性の賛同、これはまあ妥当だろう。
若い頃の被害の件かも知れないし、若しかしたら最近の話なのかも知れない、生涯現役を声高に宣言している豪傑だって少なくないのだ。
時折散見されていた男性だって同様だろう。
心が女性だったのかも知れないし、男同士、強い女性に蹂躙される男性って構図だってあり得る、立派なミートゥーに違い無い。
但し、但しだ…… 万が一、本当に万が一なのだが…… あの運動に積極的に参加しながら事実、被害を受けた事が無い場合は、これはどうだろうか?
ミートゥー、言うまでも無く、私も、僕も、アタイも、の意味である。
未体験の性被害に共感する? 涙ながらに怒り捲くって? これは…… 一体ぃ、である。
痛いでは無い、あくまでも一体の方だ、お間違えなく。
んな奴いないだろっ! そんなデマカセ言ったって仕方が無いんだしなっ!
確かにそうだ、そう思うだろう。
ましてやあの時代、ミートゥー以外にもウィトゥー運動も存在していたのだ。
こちらは直接的な被害者でなくとも、声を上げられる様に社会全体の参加を求めた、言わば被害者に惻隠する為の運動である。
訳ワカメな狂言じゃなくてこっちに参加すれば良いんじゃない? それ嘘だし?
そう思われる向きは多いだろう。
しかし、しかしである。
只のブラフで嘘っぱちに思える狂言芝居、被害者を騙っている人間の内、何割かは、実際に被害を受けた? かな? いや、被害を受けた筈だ、そうに違いないっ! そんな気がしてきたっ! あぁー辛いっ! 何故私はこんなに可愛そうなの…… 若しかして世界で一番辛いのってぇ…… ア・タ・シ? そうだっ! 世界一不幸なア゛タ゛シ゛っ! んがぁああぁぁ、辛いぃっ! 苦苦苦苦、苦しいぃっ! そう本気で思ってしまった重篤な方も含まれているのである。
こっちはこっちで大問題だろう…… 下手をすれば実際の性被害と遜色無い位の難問かも知れない。
そんな意味で再び言おう、思ってしまっているなら、仕方無いのだ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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