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【1940話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

1940.ギブアンドテイク

 レイブが本心を隠す為の苦心に明け暮れる中、カメの言葉は続く。

『ま、殊更ことさら望まずとも勝手に同一化して行くがの、容れ物と言ったが依り代は憑依する悪魔に選ばれし存在じゃ、それぞれ期待する能力があるのが前提、気楽に過ごせば良いじゃろうて』

「判ったよ、アスタさんがいてくれるだけでもうお腹一杯、だけどね」

 今後この発言が出た場合、本心では知られたくない内容を考えている事が決定したな。
 レイブの本心は兎も角、キトラの言った依り代に対する説明は的を射ている。

 本観察内では度々言及してきたスキルの委譲、これまでは中身の悪魔から依り代へのコピーや継承についてのケースが多かったが、無論、この能力付与は一方通行では無く、双方向で伝播でんぱんされる物だ。
 キトラの爺さんの言葉を借りればフィフティーフィフティー、五分五分の相互依存的関係だから当然、と言えるだろう。

 床にチョークで魔方陣書いて、何か生贄を捧げれば出て来て助力や神秘的な能力を与えてくれる、んなお手軽な悪魔なんていない、ってかそんなに軽薄だったらそもそもアートマンなんか確立していないのだ、安く見ないで頂戴っ!

 本来、一定以上の力ある悪魔は、依り代を選ぶ際、滅茶苦茶慎重なのである。
 自分の影響で相手に人智を超越した能力を与える責任、それもあるが、多くの場合、相手の持つ能力や知識、生物的な特徴から選抜する事が多い、砕いて言えば欲しい能力を有しているかどうかだ。

 観察内でアスタロトが家族を次々と憑依させたり、コユキの上の妹リョウコとポロポロキョロキョロ言っているカイムが適当に憑依させた件で、粗製乱造、大盤振る舞い、節操無し、安売り馬鹿、語るに値しない、口が腐る、死ねば良いのに、等とご紹介したのはこの不文律を無視していたからなのだ。

 知性、知識、技、力、生存能力、コミュ力、数え上げればキリが無いが、何かキラリと光る物、そんな興味を引く相手が心から渇望した時だけ、例の儀式が行われるのである、あの『力が欲しいか?』って決まり文句の語り掛けなのだ。

 だから悪魔は依り代が思うよりずっと長い時間、候補者を選定する意で観察しているのが常だ。
 ストーカーや盗撮魔ばりに昼夜問わずどこからかジィーっと好奇の視線を送り続ける異形の存在、プライバシーなんか無論バリ無視である、だって神様だから、良いのだ、ってかむしろ善いのだ、喜ぶべきなのだ。

 こうしてデバガ…… 熟考に熟考を重ねた上で選んだ依り代、当然ながら悪魔毎にそれなりの拘りとかあったりする。
 私、観察者は昼夜みたいな時間に特化した能力者、それか女形の人間、出来れば健康的な色黒が良いかな?
 バアルは何かの研究者や宗教的な求道者が多い様だしルキフェルは男女一対の人間に分割憑依、カイムは言うまでも無く鳥類だろう。

 ん? キトラは…… やっぱりカメ、か? うーん……



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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