【1803話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1803.主役
レイブも安心した感じで改めてギレスラに向き合う。
「良し、じゃあ続きだ! えっと確かぁ…… っ、なら何で鱗塗れになっていたんだ?」
『ああ、実は思いも掛けない事が起こったのだ! 尻尾から魔力を吸い上げ始めた途端、一気に膨大な魔力が流れ込んできてしまったのだ!』
「ええぇっ! 膨大な魔力がっ? ま、まさかそれってぇっ!」
『うむ! レオニード兄さん自身の保有魔力が多い、いや膨大なのだろう、それしか考えられぬのだ』
「ええぇぇっ! ギレスラでも吸い切れない程、だってのか……」
『プ…… えっ、私の魔力が? 膨大……』
少し萎んで話せる位まで復活したレオニードもびっくりしている、無論私、観察者も同様だ、こんな感じで次々と規格外の実力者が登場しては観察の信憑性に疑義が生じてしまう…… 立場上とても看過する事が出来ない。
レオニードの思いもそれなりに複雑だった。
これまで魔獣としてドラゴンに仕え、一種の官僚としてそつ無く過ごして来た、言わばエリートで常識的な生涯に僅かな疑問すら抱いた事が無かった彼である。
それがどうやら違ったらしい。
既に別居してから久しい女房の弟弟子たち、その言葉によれば自分には非凡で特殊な才能? がある、そんな気配がビンビン醸し出されているでは無いか。
大いなる力には大いなる責任が伴う……
こんな言葉を彼は四六時中聞かされて来た、仕えていた主、他ならぬ竜王からである。
ほーん、なっるっほっどねー。
その度に心の底から納得した物だった。
確かに竜王は偉大であったし、強さ、勇ましさ、敬虔さに深慮遠謀、どれを取っても配下のドラゴンや自分達魔獣とは比べられない傑物さを丸出しだ、そりゃ責任だってデカイだろ? いつか凄い事でもやるんじゃね? 位には漠然と思っていたりした物だったのだ。
――――私? 私も特別だと? 選ばれた側だと言うのか? そんな都合良く…… いや、しかしっ!
常識的な判断を阻害したのはかつて恋に落ちた妻(別居中)の特殊な身の上である。
――――パリーグは現獣王、だよな? 育ての親であるヴノの爺さんは伝説だし、パーティーメンバーも鍛治王に聖王、鬼王…… 竜王様と同格なんだよなぁ? どうやら倅には神様が憑依したらしいし、このメンバーも特殊な奴等ばっかりだしぃ……
そこまで考えが至った時、レオニードの心中に新たな思いが噴出した。
――――そうかっ! 凄い面々が凡百だと自覚していた私の周りにぃっ! そうか、そうだったのか! 私が、主役、だったのか……
自覚した瞬間、これまでの平々凡々な生涯、とは言えエリートはエリート、親や周囲の期待に応えて出世街道まっしぐらだったのだが、あくまでも一般の範疇だった日々が、壮大なストーリーの前段に過ぎない、所謂、前振りに感じられてしまったのである。
『私が…… いや俺、だったのか! 俺が世界を救うんだな!』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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