【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1631.物見遊山は続く
驚愕一入のサタンは連れられるままに幾つかの門を越え、街を見下ろす丘の上に立つ巨大な屋敷へと辿り着いた。
屋敷と言ったが正確には城砦の方がしっくり来る、そんな感じの石造りの外壁は絶賛修繕工事中で酷く心許なく感じられた物だ。
「ふーん、おっ! おしゃれじゃん! あーゆーの良いよねー」
「恐縮です」
馬上から見回したサタンの目には門や壁のそこかしこに配置されたレリーフがやけに魅力的に写った様だ、この時受けた衝撃が後のリョートパレスのガチャガチャ感に繋がるのだ、ちゃんと覚えずにイメージ先行だったせいだろう。
まあお蔭で、令和の時代で恵体聖女とがめつい聖戦士に活動資金として有意義に利用して貰えたのである、世の中何が幸いするかは神も仏も、ましてや悪魔にすら知る由もないんだねぇ。
「申し訳ありませんがここからは歩いて頂けますでしょうか?」
「おろろ? こんな所で?」
「ははっ」
「ふーん、まあ良いわよ」
工事中の正門を過ぎた所で、ヨハンはサタンに下馬を願い出て、気さくに応じたサタンは首を傾げながら鞍から飛び降りた。
この際、既に手慰みのせいでボロボロだった泥人形が、遂に完全に崩れて細かな土埃と化して風に飛んでいった、オゥ! ジーザス! って所だろう。
土くれとなった救世の主を踏み締めて地上に降り立った、サタン=マリス嬢=バアルの姿に兵士達は揃って息を飲んで固まってしまったが、ヨハン自身は然程気にする風でも無く、泥だらけで汚れた手を取るようにしながら先に立って案内をする気満々らしい。
「り、領主様、お供を――――」
兵士達の内、指揮官らしき男が発しかけた言葉を手を上げて止めたヨハンは続けて言う。
「良い! 既に城の中では無いか! 詰め所に戻って休んでおれっ! さっ、さささっ! 神の母よ! こちらへどうぞ!」
「あ? ああ、うん」
促されるままにヨハンの後を追ったサタンは屋敷の脇を抜けて幾度か曲がると城全体の裏手、険しく切り立った崖際に立てられた石造りの小屋へと導かれた。
小ぶりな建屋の周囲は鉄格子でグルリと囲まれて、一つきりの入り口脇には屈強そうな番兵が二人、槍を構えて鋭い視線を油断無く光らせている、小屋と言うより牢獄みたいな雰囲気だ。
サタンは呟いたそうだ。
「何よコレ、あたし的にはあっちの立派なお屋敷の方が良いんだけど?」
ヨハンは頭を低く下げて答えたそうだ。
「お救い頂きたい相手、彼女はこの地下にいるのです! しかも彼女はそこから動く事が叶わないのです、申し訳ありませんがどうか哀れと思し召して下さいませ!」
「あ、そうなんだ、じゃあ行きましょ、ってか眷属、じゃなくて救って欲しい相手って女だったのねぇ~、ふーん」
「ははっ」
そんなやり取りを経て入った石の小屋から地下に降りる階段を下った先は、まんま地下牢的な感じで薄暗くジメジメしていたと言う。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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