【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1204.汚染水
周囲が騒がしくなった事で、グフトマが確認に赴こうとした所で逆に訪ねて来た最長老。
昨日はかなり老いぼれ、えっと、耄碌が進んでいたように見えたが、今日は矍鑠としていて口調も威厳に満ちている。
レイブも疑問に思ったのか首を傾げているが、最長老は気にもせずに話を続ける。
『今言った通り『小人の隠し穴』は崩壊を始めておる、客人たちは早めに避難した方がよかろうて』
グフトマは驚きの声を上げる。
「なっ! 崩壊って、その、と、止められないんですか!」
昨日より毛皮の色艶も良くなっていそうな最長老は首を左右に振りつつ返す。
『既に手遅れじゃ! 大精霊サルガタナス様の加護が失われてしもうた、アルペイオスの泉が穢れてしまったのでなぁ』
「あ、アルペイオスが…… 穢れた?」
絶句するグフトマの隣では、レイブが過去に経験が無い程の速さで昨夜からの自身の行動を振り返っていた。
それはもう、量子コンピュータも顔負けの物凄い演算能力で一挙手一投足に至るまで事細かに思い出していたのである。
ほんの僅かな時間経過の後、レイブは自信満々に言った、因みに両手でダブルピースを作って素晴らしく爽やかな笑顔であった。
「太師匠大丈夫ですよ♪ 俺何にもしてませんから、今回は♪」
「いや大丈夫じゃないだろ、崩壊するんだぞ、ココ!」
「あ、俺的な話ですよ、俺的な」
『ふぉふぉふぉ、心配せずとも良いぞお客人、並みのニンゲンではあの泉を汚す事なんぞ土台無理な話じゃからの! アレを汚そうと思ったら、サルガタナス様の主、アスタロト様自身か若しくは同格の悪魔じゃなければ不可能じゃろうて』
アスタロトの名前が出た一瞬、内心でビクッとしたレイブであったが、再度シナプスを最高速で検証した結果、やはり身に覚えが無かった事で胸を撫で下ろすのであった。
グフトマは再び最長老に聞く。
「同格の悪魔って、そもそもそんな存在がどこに……」
『ふむ、確かにのぅ?』
「あっ! バッタっ!」
なるほど、そう言えば居たな、テューポーンが……
魔石充填作業が終わった辺りから姿が見えなかったが、そう言う事なのだろうか?
レイブの叫びを合図に走り出した一行は、アルペイオスの泉こと水呑場で衝撃の場面に向き合う事となった。
ここ、『小人の隠し穴』の中で、唯一と言って良い清浄な水の源流である泉の中に、大き目のバッタが浴場ヨロシク全身をトップリと浸して四肢をのびのびと伸ばしてリラックス、のみならず駆けつけた面々に対しておいでおいでと言わんばかりの手招きをしている姿だったのである。
昨夜レイブが掃除に使った折には、と言うよりも元来は正常で無色透明だったサルガタナス由来の湧き水は、見るからにおどろおどろしい黒ずんだ濁り水へと姿を変え、今現在進行形で下流、恐らく各所に設けられた水呑場へと送り出され続けている。
「うわ…… これは……」
『見るからに毒だな……』
『絶対死ぬわね』
スリーマンセルの感想は的を射ていたが、そもそもこんなヤバそうな水、好んで口にする馬鹿は居ないとも思われた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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