【2018話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2018.賢い勢、死地にて無双す
『ふーん、ここにクラックと日本への入り口があって何かの動力に使われていた魔石に魔力をチャージしたら臭気ガスか何かが射出された、って所かしら?』
賢いなペトラ。
「臭いって言えばコユキ、かしら? 彼女自身はもう消えちゃった筈だけど?」
ガトも凄いな…… 並大抵の悪口じゃ無いぞソレ。
「でもでもでーも! 仲間に科学者とかもいたんなら同じ組成のガスとか作ってても不思議じゃ無いしょ?」
こいつはまあ霊長類っぽいからな、ある程度の知性はあるのだろう。
『そうね…… いづれにしても設置場所から察するに日本への侵入を拒む、若しくは入場させる対象を選抜、限定するのが目的だったんじゃ無いかな? 皆はどう思う?』
「確かに…… でも誰が何の目的で?」
「コユキって豚の王女様じゃんね? だったらその界隈っしょ! 仲間以外に邪魔されたく無い事でもしてたんかね? エロかいな?」
『ブフォ、『聖女と愉快な仲間たち』だな! 悪魔と魔獣、人間の混成部隊、言わば軍隊的な戦闘集団だったと伝えられているぞ』
「そうね、アタシの軍団も昔散々にやられて従わされたの…… 若しかしたら意味なんて無くて単なる力の誇示? うん、そーゆー性質も有していたと思うわっ! 所謂、暴力至上主義って言うのかな? ちょっと狂っていた部分もあったわよ?」
「卍? エグっ!」
『なるほど、本拠の防衛と示威を兼ねていた訳ね…… だとしたらレイブお兄ちゃんは何故入れたのかしら?』
凄まじい洞察力、大筋で間違っていない事が驚きだ、最初からこっちが来れば良かったのに……
「仲間が入れるんなら当然じゃない? アスタロトは中心メンバーだったのよ? レイブの魔力紋も同じなんだから」
『なるほど、そりゃそうよね』
ここでこの間ボケェっと半開きにしていたニーズヘッグの口が割り込む。
『いや、仲間のパッパが入れなかったのだ! それで三回目で臭くてバッタが先走って竜王がギュウギュウ!』
『ん? お兄ちゃん、パッパって?』
『長老のキトラは我の名付け親でパッパなのだ! 元はカメで今はカメムシになったのだ』
『ふーん、そうなのね……』
改めてだが、良く普通に会話が出来るな…… ペトラってそーゆー部分でもクレバーだったんだなぁ。
当時のサタナキアの記憶を持つガトは首を傾げて言う。
「コユキ達の仲間にカメなんていたかな? カメムシも見掛けてないんだけどぉ……」
『そうなの? ギレスラお兄ちゃん?』
『パッパは当時腰蓑だったのだ』
「腰…… 道具だった、って事?」
『なのだ』
瓦礫の上から未だ失神したままな大きめのカメムシを拾い上げたのはヘビ似なシュカーラである。
「ほう、このカメムシがあの……」
「知ってるのかなもし、チャンシュカ? 見覚え?」
「ええ、防御力上昇のアーティファクト、通称『浦島の腰蓑』ですね、コユキ様や善悪様が身に着けていたんですよ、腰には無理だったんで首とかに、ですけど」
「詳しいなり! 専門家じゃね?」
なんのだよ。
森王ダソス・ダロスは得心がいった感じで続く。
『当時は道具だったと? なるほど、それならば』
『なんなり? チャンダダ?』
念の為にお伝えするがコイツ、ハンペラお猿にとってダソス・ダロスは王様である。
失礼なエテ公に対して森王様は怒るでも無く泰然と返す、流石は王者、寛容だ。
『無機物や道具になっていたのなら魔力紋は使用者の魔力だろ? クルン=ウラフのアーティファクトとかでもそうだったでは無いか』
「あーね」
「そっか、完璧な分析じゃない、流石はダソス・ダロスね♪ 見事だわっ♪」
『魔道具には慣れてるからだよガト…… それにちょっと考えれば誰でも判る事、褒め過ぎだよ』
誰にでも判る事が判らなかったニーズヘッグはポカンとしている。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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