【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1634.どこかで聞いた様な話
要点を掻い摘んで言えば、彼の人生が劇的に変化した、そんな感じの一人語りに終始していた。
会話出来る人形との出会い、彼女の名前は麗しきカーミラ、聞けば元々モラヴィアの王族で王妃、現ボヘミアの権力構造(ヨハン君も当然一員、ってかど真ん中)を心底憎んでいる亡霊がその正体だと聞かされてしまったのである。
皆さんに判り易く言えば、
「クソ親父! 光は明宗とか知らねーしっ! 俺には関係無いだろっ! おいっ、トラ、行くぞっ!」
的な出会いを果たしてしまったのである、運命だな、運命。
まあ、偶然だろうが運命の必然だろうが、出会ってしまったのならウシオ、いや、ヨハンの人生は大きく変わらされる事となる訳だ、無論、アサコ的な嫁やマユコっぽい存在にとっても他人事では無いのは言うまでも無い。
もう、それからの日々、ヨハンはウシオ並みに怪異にのめり込んでいったのである。
それまでの傲岸不遜さはスッカリなりを潜め、大金を投じ捲った錬金術で、金属の変異と不老不死、アムリタやエリクサーにしか興味を示さ無くなった馬鹿息子に、父であるシグレ、いやフリードリヒは溜息と共に告げたのである。
「ユーアーファイアード(お前は首だ)!」
と。
勿論、ネイティブとしてはチェコ語とかだろうからMáte padákaとか、ドイツ風味でDu bist gefeuertとかだったかも知れないが、兎に角、ドナルドっぽく廃嫡を宣言されてしまった、そーゆー事である。
割と重い最後通牒に落込みし切りなヨハンにトラ、いや、カーミラは告げたそうだ。
「ふんっ、かえって良かったではないかっ! あたしはあんたといれば、まあ、退屈はしないがね」
と、どこかパクリ気配の言葉でヨハンのクルムバッハ落ちを慰めたそうである。
それからの彼は、カーミラの言葉通り、益々錬金術にのめり込んでいったのだ、監視もいないしやり易くなってしまったのだ。
とは言え、中々目に見える成果が感じられないまま時は過ぎ、彼が大人になって四人の子供を次々と設ける中、異変は突然襲い掛かって来たと言うのである。
運命の日、その日もヨハンはいつも通り、新たな住まいとなったクルムバッハの丘の上、ブルンデンブルク屋敷の裏庭地下の隠れ家で、錫製のカーミラさんに地元の名物ソーセージと自ら作った豆料理、カスレを小さなスプーンで食べさせている最中の事であった。
「うっ! うううぅぅ~っ!」
「すみませんっ! 熱かったですかっ! ふぅ~ふぅ~ふぅ~、ってカーミラ? カーミラっ! どうしたのですかっ?」
「ウブブブブゥ~、ブクブクブクゥ~……」
「か、カーミラっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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